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08/03/2020

「第8回大阪ほんま本大賞」と報道

2020年8月2日(日)

先日、卒業生作家の蓮見恭子さんが「第8回大阪ほんま本大賞」を受賞したんで、そのおかげで新聞やラジオなど、あちこちのメディアでとりあげられている。今週は、メディア露出おおいな。今度の金曜も、NHKラジオに出演予定だとか。

蓮見さんは、インタビューでも「創作サポートセンター」の出身だとか、小説を書くようになったとか、話してくれているようだ。ちょっと宣伝になるかもね。まあ、今年で創設22年で、それなりにプロ作家を輩出するようになったんで、業界ではわりと知られているようになったのだが、まあ、口コミしか知られてない、地味な小説教室なんで、一般には、ほとんど関心ないと思うけど……。

しかし、去年、卒業生の木下昌輝さんが「第7回大阪ほんま本大賞」を受賞した時に較べると、かなりメディア露出も少なくなっているよな。コロナの影響で、店頭のサイン会などもむずかしいんだろうな。

書籍の売り上げをみると、外出自粛中、読書をするようになった人も多いみたいだけど、この夏はどうかなあ。うちの講座は、社会人がほとんどなんだが、いくら時間に余裕があっても、精神的な余裕がないと、なかなか本を読んだり、ゆっくり小説を書いたりとかできないんだよな。

08/02/2020

金曜ロードショー「聲の形」

2020年7月31日(金)

金曜ロードショーは、京アニの「聲の形」の放映。

私は、専門学校の授業で、作品解説をやったりしていて、もちろん何度も見ているのだが、あらためてネットの感想をみてみたら、「感動ポルノだ」などという批判があるらしい。

へえ。

まあ「感動ポルノ」という言い方は、私にはイマイチよくわからんのだが、その批判はかなり違うのではないかという気がする。たしかに「感動して泣ける」んだけど、その理由は、べつに「障害」とは直接関係がないしな。たしかに「聴覚障害」は扱っているけど、これ、あくまでも男の子と女の子の気持ちの行き違いの話……だよね。自虐傾向があって、なかなかコミュニケーションがうまくいかない男女のラブストーリー。

他の登場人物も、完璧な人物は誰もおらず、全員、少しずつ問題があるわけだし、むしろ、そういう凸凹があるような人間ばかりの話。てか、ある意味、「私はイジメなんかしてないよ」とキレイごとを言い張るような子が、どれだけ無責任で困った存在なのか、というとこまで残酷に描いてあるしさ……。

そういう完璧じゃない、なかなかうまくいかない人間関係で、それでも一緒に生きていこう、というところで感動してるわけだから、それのどのへんが「感動ポルノ」なんだろう。

でも、ネット批判などを読んでみたら、「私はイジメにあったことがあるけど、こんなイジメをする男の子を好きになれるはずがない」などと書いてあった。なるほど。つまり、つらい「いじめ体験」をもっている人は、そこのシーンをみるのがつらすぎて、そのあとの展開が納得できなくなる……ということなのかな。そういう心情なら、わからなくもないかもしれないが……。

好き嫌いはあってもいいと思うけど、もしかしたら、それも案外、けっこう複雑な心理なのかもしれないな。

しかし、それはそれで、このヒロインの性格を理解してない気もするな。だって、最初から最後まで、ずっと一貫して、この彼のことが「好き」なんだよな。数年ぶりに再会した時にあわてて逃げたのも、大好きだった男の子が急にあらわれたからだもんな。

「あんなにイジメられたら、その男の子を嫌いになるはず」というのは、それも性格によるわけですよ。この子たちは、そうならない。そこはちゃんとそう描写されていて、それも含めて、大変よくできた作品だよね。どれだけ、ただ「好き」ってのを伝えるのかが難しいかっていう。

とにかく、転校してきてすぐ、つまり最初っから最後まで、ずっと「好き」だったわけで、これはそういうボーイミーツガールの話なんで、そこは「聴覚障害」をもっているかどうかは関係ない。そこがいいわけだ。

じゃあ、なんであの子を好きになったかと言われてもなあ。「なんで好きなのか」って問いは一番むずかしいからな……。

 

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