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11/20/2019

小説講座は、今年もそろそろ開講

2019年11月19日(火)

午後から小説講座の事務所。在校生に年内の講義資料を送付。

うちの講座は、毎年、秋だけしか生徒募集をしていない。今年は11月30日開講。ここ数年、宣伝をほとんどしてないので、口コミ(?)だけだから、こんなもんだろう。今年の申込も、若干名。

でも、まだなぜか資料請求がチラホラある。30日も見学希望あったので、見学用の資料を発送する。

しかし、新規入学生は少ないが、今年も「小説専攻科」の継続受講がかなり多いな。結局、9割くらい今年も継続するようだ。なんか事実上「欠員補充」みたいな感じだな。

でも、うちの講座は、もともと営利目的じゃないし、第1期の時から(22年前)少人数制と決まっているので、毎年、在籍数としてはこんなもんである。まあ、小説講座や小説教室は、いくらでも他にもあるだろう。他は、もっとたくさん在籍できるみたいだから、そっちに通っていただければいいのではないかと思っている。

おかげさまで、うちの講座も22年になり、プロ作家になった人もけっこういる。でも、小説講座ってのは、教室によって、だいぶ運営方針も内容も雰囲気も違うから、作家デビュー率はそれほど気にしなくてもいいのではないかと思う。それよりもどんな講師がいて、自分が何を学びとれるかというだけじゃないかな。

だいたい「プロ作家デビュー率」というのは、単に「在籍数」が多ければ多いほど、また講座が長くなればなるほど、そのうち何人かはデビューするようになるだろう。でも、正確にいうと、これは在籍者のうち、どれくらいの割合がプロになれたかということではない。たいてい、単なる「新人賞」の総数である。たぶん大学予備校でも同じことだろうが、これはただの「受賞者数」である。

新人賞をとりたい小説家志望の人からすると、それが気になるんだろうが、そんな数字はべつに気にしなくていいんじゃないかなあ。

大事なのは「作家デビュー率」ではない。そりゃ、うちの講座も確率的からみたら相当プロ作家デビューは高いのだが、まあ、結果として当然そうなったということだけだ。うちは講師も現役のプロ作家ばかりだし、もともと娯楽小説の分野で商業出版をしたいという人しか入学しない。だから、もちろん、新人賞を目指す人に、なるべく参考になるようにしたカリキュラムなのだけど、結局、それも生徒さん、それぞれの努力の成果だしな。小説講座なんて、もともと小説が好きで、なんか書きたいという人にしか参考にはならないよ。たとえ同じ話を聞いても、受け取り側の違いもあるからねえ。

ただ、私としては、これだけ新人賞の受賞者が増えてくると、デビューしてから「プロ作家」として生き残っていってもらう、というのが最近の課題なんだよね。たぶん、これからは「おもしろい小説を書いていく」ということだけではなく(もちろんそれが一番大事だけど)、「出版業界全体でどう生き残るか」みたいなものも含めて、いろいろ考えなきゃいけないんだろうなあ、などと思っている。

11/19/2019

小説講座の講師の訃報

2019年11月18日(月)

漫才台本の授業のあと、演芸作家の大池晶先生と、眉村卓先生の告別式のことなど、少し世間話。

大阪シナリオ学校の演芸台本科は、もう創設40年ほどになるから、講師の訃報もそう珍しくないのだろうが、うちの小説講座はまだ22年目なので、(ゲスト講師をのぞくと)こういうのは、実はこれが初めてなのだった。

 

11/18/2019

新米作家とメール、明日は明日の風が吹く

2019年11月17日(日)

昨日メールがあった卒業生だが、つい本日、担当編集者から電話があって「短編集」の出版企画がまとまりそうだという。なんと、昨日の今日だが、それはめでたい。

実際には、原稿を書くのはこれからなので、まだ本が出ると決まったわけではないのだが、とりあえずホッとした。

ところで実は、うちの小説講座で、このオール讀物新人賞をとったのは2人目なのだが(一人目は木下昌輝さん)、短編賞である「小説宝石新人賞」も受賞後、自分の単著を出すまでに丸2年かかっている。そう考えると長編で受賞した人の方が、すぐ出版デビューするんだけどね。

でも、短編コンテストは、たいてい応募数が多く、高倍率を突破しているので、技術的にはうまいんだけどな。まあ、作品の完成度というより、商業出版では長編の方が圧倒的に売りやすいという出版事情もあるだろうが、短編デビュー組は、執筆速度がまだ遅い人がわりと多いせいかもしれないなあ。

でも、商業出版でプロ作家でやっていくには、ライトノベルだと一年に数冊、それ以外の一般向けでも、最低でも1〜2冊出せないと仕事としては続かない。せっかく新人賞をとったんだから、プロとして続けてもらいたいしな。ま、とにかく企画がまとまったので、これはめでたい。

「これも先輩や講師などに相談できたおかげです」というが、これは本人ががんばって、色々プロットなど出してたからである。



11/17/2019

小説講座の卒業生からのメール

20191116日(土)

今日は、小説講座は休講だった。

夜、卒業生からメールあり。どうも色々と悩みを抱えていたようで、うちの講座の先輩作家や講師に相談できて、ある程度、解決されたようだ。

まあ、作家ってのは、孤独な仕事なので、一人で悩みを抱えこんでいるとどうしても精神的につぶれやすい。だから、できれば同じようなプロ作家に相談できた方がいい。うちの場合、講師や先輩でいくらでもプロ作家がいるので、悩みを一人で抱えこむよりは、誰か相談すればいいと思う。

実は、昨年、ある有名な新人賞を受賞した人なのだが、賞をとってからもう1年たつのに、あいにく、まだ単著が出ていない。

これが「長編コンテスト」の受賞者なら、まずこういうのは起こらないのだが、短編のコンテストだと、こんな老舗の新人賞でも、なかなか自分の単著が出せないということが起きたりするんだよなあ……。うーん。

まあ、今月号には、受賞後2作目も掲載されているし、書いてないわけではないのだが、出版までこぎついていない。1年経って、単行本の目処がまだたってないのは、ちょっとペースが遅すぎるかもなあ。おとなしい性格だから、担当編集者にも自分から連絡せず、ずっと遠慮していたみたいである。それはいかん。せっかく担当がついたんだし、仕事なんだから、べつに遠慮などはせず、もっとプロットとか出して編集者ともいろいろ相談すればいいのに。

ただ、出版としてみると、もともと、新人作家の短編集ってのは、やはり長編よりは、だいぶ店頭では売れにくいという事情がある。だから、ある程度、これはしょうがないんだが、やはり作家ってのは、新人賞を受賞してからが勝負なのだ。新人賞だって、翌年になると別の人がデビューしてしまう。作家ってのも、それはそれで、やはり「売り時」ってのがあるわけで、そろそろ「単著」が出せないと厳しくなってくる。

まずは受賞後、1~2年以内が勝負なのだ。しかし、在学中から、講師や先輩から、そういう出版事情はよく聞かされていただろうに……。

まあ、うちの講座は、すでに先にデビューした、先輩プロ作家もいっぱいいるのだから、いろいろ相談してくれればいいんだけどねえ。うちの講座は、デビュー後も、書店への宣伝、マスコミへの広報など、アフターフォローもなんでもやるんですよ(笑)

とにかく、せっかく新人賞をとってデビューしても、すぐに消えてしまう新人作家ってのは山ほどいるわけなんで、ここは、なんとか生き延びてもらわないとなあ……。

11/16/2019

木下昌輝さん『絵金、闇を塗る』第7回野村胡堂文学賞の授賞式

2019年11月15日(金)

卒業生作家の木下昌輝さん『絵金、闇を塗る』(集英社)第7回野村胡堂文学賞(日本作家クラブ主催)の授賞式が開催された様子。

今年は「大阪ほんま本大賞」『天下一の軽口男』も受賞されたし、ますます大活躍ですね。

11/15/2019

小説講座は、今年も(地味に)生徒募集中

2019年11月14日(木)

また小説講座の資料請求あり。

ところで、いつも「どこに連絡していいのかわからなかった」とか「いつ募集しているのかわからん」とか、よくそういうお問い合わせがあるのだが、それはたいへん申し訳ない。ご存知の人も多いと思うが、うちの講座は、実は、そう広く生徒募集をしておらず、この十年以上ほとんど口コミだけで入学者が入ってきているのだ。

もともとネットなどで広く宣伝して、たくさん生徒を集める……というタイプの教室ではなく、運営も小規模である。むしろ商売っ気がなさすぎて、在校生や講師から「もうちょっと宣伝したら?」と心配されるほどなんだが、もともと非営利の小さな小説講座で、少人数でこじんまり続けてきたんで、もうこれはこれでいいかなと。まあ、そりゃぜんぜん儲からんけどな。

先日も問い合わせが来て、「みんなどうやって、入学されているのか?」と聞かれたのだが、私にもわからん。あいかわらず、ほとんど宣伝もしてないから、みんなどこで見つけて入学してくるんだろうねえ。SNSかな。

まあ、講師の堀晃先生とか、わりと講師の皆さんがマメにSNSに書いてくれてるから、そのせいかもしれない。私の日記はそんなにマメに更新もしとらんけどね。

うちは入学も、年1回、秋募集しか受け付けてないのだが(そのうえ、事実上、生徒募集をしてない年もあるんだが)、それでもなぜか、今年もどこからか見つけ出して、22期も入学者がちらほらいる。今期の授業開始は、11月30日(土)だ。堺三保先生の長編の作品指導。またその次の12月7日の講師は、小林泰三先生だ。

もし入学希望なら、見学は一回無料だから、とりあえず講義見学をされたらいいんじゃないかな。一応、プロ作家を多数輩出している老舗(?)の小説講座なんで(らしい)

ただ、ぜんぜん商売っ気がないのはあいかわらずなんで(なんせ十年以上ほとんど宣伝をしとらん)そこはどうかご勘弁ください。

 





11/13/2019

小説専攻科の作品提出日でした。

201911月12日(火)

専攻科の作品提出日だった。今期は、第2回め。

長編は数本あったが、短編は2本だけだ。うーん。思ったより少ない。もちろん提出されたばかりなんで、まだぜんぜん読んでないが、これは12月~1月の指導日の調整がけっこう難しいかなあ。

うちの講座では、生徒作品が提出されてから、何人かいる講師の中で、誰に指導してもらうべきかを決めている。本人に指導講師の希望があれば一応それは参考にするんだが、本人の仕事の都合とか、講師のスケジュールの問題もあるので、事務局に全面的におまかせするという人の方がわりと多い。べつに講師希望を聞かなくても、ミステリ作品はミステリ作家、SF作品はSF作家に指導をお願いすることが多いから、作品を見て、だいたい決めていることが多いけど、たまに誰に指導を頼んだ方がいいのか悩む時がある。

しかし、目がしょぼしょぼして、原稿が読みにくい。花粉症かな。

 

11/11/2019

秋の京都は、人がいっぱい

2019年11月10月(日)

わざわざ講師のお仕事を休んで(代講を頼んだ)、所用で京都へ。紅葉シーズンだから、観光客が多かった。

11/10/2019

眉村卓先生のお葬式

眉村卓先生の告別式に行ってきた。

うちの小説講座は22年目になるが、「講師」が亡くなられたのは(単発のゲスト講師をのぞくと)これがたぶん初めてだろうと思う。

とくに眉村先生には、小説講座がはじめる以前から、別の講座にも教えに来てもらっていた。講師としては一番古い関係なのだけど、初めてお会いした時のことはまだ覚えている。私はずいぶん緊張していたが、気さくな方だから、初対面から色んな話をしてくれた。

喪主をされた娘さんのお話によると、先生は病床でも本当に最後までずっと書かれていて、どうやら力をふりしぼって最後まで書きあげられたそうだ。なんと最後の長編はギリギリ完成したらしい。それを聞いた途端、思わず涙がポロポロあふれてしまった。

他にも色んな人が来られていて、もっと色んな思い出がある人がたくさんおられただろうから、私なんかが泣くのもどうかと思ったけど、お葬式なんだから少しの涙くらいは許されるでしょう。

ところで、この数年、堀晃先生に聞き役になってもらって、色んなSF作家の創作対談をしているのだが、このシリーズは最後は眉村先生にしようと相談していたのだった。でも結局、それだけは、やれないままだった。

11/07/2019

ありふれた小説講座の日々。某作文コンテストはまだ審査中。

2019116日(水)

今日も午後から事務所へ。今日も平和な小説講座の事務局。12月に講義をお願いしている小林泰三先生へメールなど。

そのあと、演芸台本の勉強会に出て、夕方から雑誌ウォロの特集会議など、色々と。

さて、某コンテストの選考委員から、最終選考の評価票が出されてきていた。作文コンテストなので、文章量は多くないから読むだけは早いが、選ぶのは難しいかもしれない。とくにまだ第1回だし。

評価票の〆切は明日だが、6人の選考委員のうち、もう3人分は出されている。ただ、もちろん、まだ結果はわからない。明日、全部そろったら集計をして、すぐ結果を知らせなくてはいけない。

私は、この作文コンテストでは選考に加わっておらず、事務の手伝いだけだから気楽。主催はボラ協。

そういえば、うちの小説講座の「大阪ショートショート大賞」のコンテストは十数年続けたのだが、2年前から中断している。だが、今年も、なぜか2作品ほど応募があった。もちろん募集もしてない。だが、どうも過去の「公募ガイド」に掲載されていた応募要項が、そのままどこかのサイトに転載されているようだ。

この大阪ショートショート大賞では、毎年、テーマを決めて出題していたので、作品をみるとなんとなくどの年の作品かわかるのだが、10年以上前くらいのテーマみたいである。よくわからないが、たぶんネット情報を見て応募してきたのだろう。どこのサイトか知らないが。

なお、大阪ショートショート大賞は、今年は募集していない。先日も問い合わせがあったのだが、来年やるかどうか未定。

11/06/2019

小説講座は、今年もそろそろ開講

2019年11月5日(火)

午後から小説講座の事務所へ。

専攻科は、仕事の都合や転勤などで辞める人がほとんどで、毎年、いつも継続受講が多いのだが、今年もけっこう継続が多かった。うちの専攻科は全体的にレベルが高く、最終選考まで残っている人とか、一度受賞したことがあるという人もいる。専攻科はなるべく安い学費にしているので、そこまで負担にはならないと思うけど……。

そういえば、今月も最終選考に残っている生徒さんがいるんだが、受賞できるといいなあ。仕事が忙しいそうだが、毎年、数作は長編をしあげているので、そろそろデビューしてほしい。

第22期生の申込者に、講義資料を発送する。ここ数年、ほとんど宣伝をしてないし、口コミとかネットで調べて、資料請求をした人しか入学してきてないのだが、今年もチラホラ入学者あり。

今年は、今月30日に開講する予定。

11/05/2019

小説のレッスン、芝居のレッスン

2019年11月4日(月)

専門学校や社会人向けの学校で、講師をしている。あまり考えたことがなかったが、先日ふと「俳優」のコースではいったい何を教えているのか気になった。演技指導とはどんなものだろう。発声練習とかするのかな?

そこで講師の人に聞いてみた。この人は役者さんで、何度か彼の芝居も見にいったことがある。

「初心者に何から教えるんですか?」と聞いたら、「いろんな教え方があるけど、僕の場合、まず最初は他人との間に「共通のもの」を作るというのをやりますね」という。

これは、こういうものらしい。まず2人ずつ、一組みになって、1人が「楽しいね」と言い、もう1人が「楽しいね」と返すということをする。そうすると、そのうち、なんかわからないけど「楽しい」のが伝わるのだという。それをやってから、そのあと「楽しいね」と言われて「楽しくない」と返事をしてもらう。そうするとなんだかわからないけど、悲しいような気になってくる。これが相手に感情が伝わるということなのだそうだ。へえなるほど……。

「でも、これが楽しいではなく、『嬉しい』とか『悲しい』とか『悔しい』だと伝わりにくいんですよ。『悲しい』とか『悔しい』って、もともとその前に何か別の「共通のもの」がないと伝わらないんですね。だから、ちょっと伝えるのが難しいんですよ。だけど『楽しい』という感情は、理由がなくても伝わるんですよ。でも、そこは大事なんですよね。だから、まずそこからやりますね」

……ふーん。そういわれてみれば、そうかもしれない。

しかし、今までそういうことは考えたことがなかったが、役者さんというのは、舞台で感情を伝えるためにそんなことを考えているのか。そういやそうか。だって言語ではなく、動作や表情など、彼らは自分自身が「道具」なんだもんなあ。

まあ、小説や映画のレッスンとはだいぶ違うのかもしれないが、なかなか興味深い話だった。

11/04/2019

眉村卓先生の訃報

2019年11月3日(日)

昼過ぎ、着信あり。芦辺拓先生からの電話。

あいにく仕事中で折り返しかけられなかったが「なんだろう」と気にしながら、ネットをみると眉村先生の訃報だった。体調が悪いとは聞いていたが、神戸新聞の連載も続けられていたのに……。え、ショック……。

「堀晃先生との対談」という企画もあったのに、まだ実現しないまま……。

長い間、いろいろお世話になりました。

11/03/2019

小説講座<秋の公開講座>

11月2日(土)秋の公開講座を開催。

タイトル「書き慣れてきた人が陥りがちなこと」
講師:延野正行さん

当講座出身の作家・延野正行さんが、小説コンテストの一次選考から最終選考に残る作品執筆のコツなどを具体例をあげながら説明された。教室には、卒業生作家や昨年のオール讀物新人賞を受賞した榛原浩さんなどが来られていた。

22期生の入学申込あり。公開講座は、前回の堺三保先生に続けて受講されて、両方とも大変面白かったそうだ。授業が終わってから、いつもの懇親会。参加者は20人ほど。遅くまでワイワイにぎやかだった。

11/02/2019

マレフィセント2

201911月1日(月)

午前中お仕事。今日は、午後から少し時間があいたので『マレフィセント2』を見に行く。

(今年映画館で見た作品としては56本目)

前作は、ヴィランものとしてよくできた作品だと思うが、今作はファンタジーバトルだった。しかし、育ての母の魔物より、人間の姑がこわい……(笑)

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