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08/31/2011

「博士号の取り方」と「小説新人賞」の取り方

8月30日(火)

こんな本を読んだ。

「博士号のとり方」

そのまんまなタイトルだが,けっこう面白かった。この手の本は,たいてい研究室の選び方とか,指導教官の選び方とかが書かれているのだが,この本は,それだけではなくて,いろいろな指導教官のタイプによるメリットとデメリットだとか,さらに指導教官の教育のしかたとかまで書いてある(指導教官がちゃんと指導できるように,学生自身が,指導教官を教育する必要があるのだそうで)

で,気がついたことがある。どうやら研究者にとっての「博士号」ってものは,作家にとっての「新人賞」に,けっこう似ているらしい。

この本には,「第4章 博士号をとらない方法」という章がある。これが面白い。

「逆説的だが,「博士号をとらない方法」というのは確立されている。本章ではそれを見ていこう。ここで見る方法はどの分野にも現在進行形で当てはまる。紹介する七つの失敗パターンに当てはまらないよう,自分がどの位置にいるかを考えよう」と始まるのだが,この7つの失敗パターンのまず一つ目が「博士号をとりたくない」なのだ。

作家志望の人は,ぜひこの「博士号」のところを「新人賞」にさしかえて,読んでみて欲しい。

「博士号をとらない最初の方法は博士号をほしがらないことである。……何を言っているんだと思われるかもしれない……あなたは少なくとも何かを犠牲にし,多大なるエネルギーを研究に費やしていることだろう。「これだけ多くのものを犠牲にしているんだ。博士号を欲しくないなんてあり得ない!」と言うだろう。
……博士号を取るためには,博士号を欲しいと思わなければならない。その欲求は困難な仕事を成し遂げるために必要だ。あなたは,自分のしていることがくだらなく,実りないものに思えた時,「なんでこんなことをしなければならないのか?」と自問する時,そして「なぜこんなことのために家族に犠牲を強いているのだろう?」と考え込む時を乗り越えて,研究を続けなければならない。……ともかく,博士号取得を目指す上での外的満足度(たとえばキャリアを築くうえでの必要性)を注視し,どうしても博士号が欲しいという結論に達しなければならないのだ……」

まるで,小説新人賞なのでは?
作家になるための「新人賞」とまったく同じみたいに見える。
「新人賞」をとるためには,たぶん,プロ作家としての能力があることを示す必要がある。

付録の「学生のための研究進捗自己診断」もよく考えられている。

1 私はどんな困難に出くわしても博士号を取得する決意だ。
2 どんな状況でも私は博士課程を終える前に,新しい職には就かないつもりだ。
3 私は自分の博士論文が求められている水準について,はっきりと理解している。
4 私は博士論文で「知の体系に対しオリジナルな貢献」を行う自信がある。
5 私には成し遂げるべき研究に対する計画があり,その進捗を評価することができる。
6 私は定期的に現実的な締切を設け,それを達成している。
7 私の研究はひとつの主張による貢献を目指している。
8 私はライティング能力を高めるために,あらゆる機会を通じて研究を文書にまとめている。
9 全体的に博士号取得までの現在の進捗に満足している。

この「博士号」のところを「新人賞」にさしかえて読んでみると……。

いや,ホント,小説講座を運営している私の立場としては,全員に「新人賞」をとってもらいたいのだが……。

08/17/2011

人生は,うまくいくと信じている人がうまくいく!?

2011年08月16日

高3の今頃になって,ようやく進路を決めたうちの息子。

どうやら情報工学を受けることにしたらしい。

しかし「工学部」受験には「物理」が必要。ところが彼は,高校では生物選択で,「物理1」も選択していない(このあたりがアホなところである)

なので,とりあえず3日間参考書を読み,2日間問題集をやり,そんでもっていきなり「物理」で「センター模試」を受験。

で。

昨日,自己採点をしてみたら,たった一週間しかやってない物理が,どうやら全科目の中でなぜか最高点になったらしい。

なんやそれ。

どうもそもそも他の科目もぜんぜん勉強してなかったので,その結果,なぜか「物理1」が高得点になったらしいのだが。てか,それ,他の科目を勉強してなかっただけやん。 彼は,偏差値がケタはずれに低い。せいぜいどれも偏差値50前後。しかし,たった数日やっただけの「物理」が偏差値50以上もあったのが気に入ったらしく,すっかり「オレって,けっこうデキるやん」

ま,我が息子ながら,なかなかエライなと思うのは,とりあえず彼はいわゆる「できるかどうか」ということでは決して進路を決める気がないという点だな。あくまでも「やりたいかどうか」で決める気である。 偏差値的には,どっちも合格はどうみてもだいぶ無理でも,
「いや,やったらひょっとするとできるかもしれへんやろ。で,やってみて,できなかったら,それはそのとき考えたらええやん。そりゃ今は無理でも,一浪やったらアリかもしれんし」

自分の偏差値をこれだけきっぱり棚にあげられるのは,もはや才能だな。 こういう「怖れを知らない」というのは,才能だと思う。

これは,母親の私はない才能なのだけど。

たしかに進路は「できるかどうか」で選択してはいけない,やっぱり「やりたいことをやる」方がいい。たぶん大学受験でも,やっぱり行ける大学よりは行きたい大学。その方が,受験勉強も楽しいし,結果的に可能性もあがるはずである。 ……おそらく理屈はそうなのだが。

だけど,私などは,彼のように「無邪気なアホ」になりきれないところがある。こういうふうに考えられることだけでも,それは「才能」なのかもしれない。

もしかすると,小説講座でも,生徒さんが「どうやれば作家デビューをできるか」という最大のコツは,とりあえず「作家にはなれる『才能』があるかなれないか」を一切考えないことかもしれない。

とりあえず作家になると決めて,そのために必要な実力とか技術とかは何かを単純に考えて,「やったらたぶんできるやろ」と根拠なく考えて,それに向けて,ただやるかやらないかだけなのかもしれないな。

自分のやりたいことはコレだから,やったらたぶんやれるはずと思い込めるのは才能だしな。

小説もそうだけど,たいてい最初のうちはあまりうまくいかない。でも何度かやってみて,たとえすぐには無理でも,「ま,ちゃんとやればそのうちオレにもたぶんできるはずだから,やり方を変えればいいだけだ」とアレコレやってみる。だから,たぶんなかなかあきらめない。

つまり,「自分に『できるかどうか』で,将来を決める」ようなタイプよりは,結果的には「挫折」が少ない。てか,「やれるかやれないか」とか「自分の才能の限界」とか最初から考えないから,もともと「挫折」ということがありえないわけで。

だから,こういう「挫折」を知らない彼に,わざわざ現実の厳しさを教えてやったり,才能の限界を教えてやったりする必要はまったくない。 やりたいことのためには,自分の能力とかまったく気にせず,それらをとりあえず棚にあげられるという能力は(性格的にはある種の欠陥なのかもしれないと思うが),一種の特別な「能力」なのであった。

まあ,それは母親の私にはない才能ではあるのだが,こういう「気楽さ」は,小説講座の生徒さんたちにも,ぜひ持っていてほしいものである。

08/15/2011

鬼が笑いそうな来年の話

2011年08月14日

来年の話をすると,鬼が笑うという。

私なんか,ホント毎日毎日,目の前のことで精一杯で,来年のことなどとても考えられないのだが,それは私だけのことで,なんだか周囲はそうでもないらしいのだった。

まず仕事では。

そろそろ来年度の小説講座のカリキュラムを発表しなくてはいけない時期。2011年11月~2012年10月。毎年のことだが,開講すればその一年分の予算は用意しているのだが,その一年後の先はよくわからない。1年間だけでも,その決心をするのは,それなりの覚悟がいるのだ。覚悟というより,具体的に言えば,予算(つまりお金)だが。 無借金経営で,生徒さんにも迷惑をかけるつもりがないので,生徒さんが集まらなかったら,一般募集は中止。まあ,専攻科だけは2年くらいはやるだろうけど。

さらに先日,大阪NPOプラザにおいている建物が,来年度はもしかすると継続使用できないかもしれないので,その際にどうするつもりかと聞かれた。大阪NPOプラザは,公設民営の施設で,大阪府の建物貸し出しを受けて,大阪ボランティア協会が運営している。橋下政権は,福祉関係の予算をだいぶ削減していて,来年度の運営は不透明。大阪市もアテにならないし。

とりあえずまだ未決定事項なので,決まってから考えると伝えておく。3月末で追い出されたとしても,今のところ行くあてがないんだがなあ。うーん,来年かあ。

そんでもって,家でも。来年の話がちらほら。

……というのも,なにせ高3の長男が受験生なのである。去年まですっかり高校生活を満喫していたアホな彼も,さすがに今年は周囲も全員受験生ムードなので,ようやく本気になったらしい。しかし,つい先日いきなり「工学部受験」を決めたらしいのだが,そこで彼は「物理」を高2からまったく履修してないという事実が発覚した。なにせ彼は,「生物」選択コースなのである。本人いわく,なんとなく「生物」にしたらしい。「工学部」受験だとたいてい物理必修というのがわからんのか。つくづくアホである。

国公立の工学部で,2次で生物での受験があるのは,バイオ工学とか一部のコースだけなのだった。彼は,情報工学で,ネットワークセキュリティがやりたいらしい。私は先週,はじめて知ったのだが「デフコンのチームにスカウトされるような技術者になるのが夢」らしいぞ。つまり,それって,要するにハッカー志望!?  そういや,去年の夏は,美術部と軽音部をかけもちしてコミケに行ったりするかたわら,自作パソコンをせっせと組み立てていたのだった。UNIXユーザーである。

しかし,物理をやってないと,工学部受験は難しいぜえ。

となると,二択である。

志望を変えて,生物で「理学部」を受験するか,それとも志望は変えず,浪人覚悟で,独学で「物理」をマスターし,「工学部」を受験するかの選択しかない。

で,先週オープンキャンパスなどに行ったりして,いろいろ考えた結果,今になって,
「やっぱり工学部に行きたい。物理はなんとか独学する。大学ではやっぱりやりたいことやる。4年は長いやろ。どっちみち理系やったら,どうせ大学に入っても物理はいるやろ。だから,やるなら今やる」
と決心したらしいのだった。

ただ,彼は,もともと「ある種のアホ」である。だから,ひとたび決心すると,何がなんでも実行するタイプなのであった(春にやらかした骨折でも,手術日の前夜,睡眠薬を投与されているにも関わらず,夜中に必死で病室で起きて「某魔法少女の放映」を見たというバカ)

さっそく,「物理1.2」の参考書を買ってきて,3日で読破。それからいきなり志望校の過去問をやってみた。いわく,
「まあ,もちろん今のところ,まるきり問題が解かれへんねんけど,なんか気のせいかもしれへんけど,半年あれば,物理は何とかやれそうな気がするねん。今はわからんけど,ちょっと考えたら,なんとなく解けそうな気がする。とりあえず物理って,けっこうおもろいから,オレ,物理やるわ。でも,過去問やってみてわかったけど,あれ,物理よりか,数学と化学の方がかなりヤバイわ。そっちの方がぜんぜんわからへん」

そんでもって,いきなり今日のセンター模試も,とりあえず「物理」で受けるらしい。つい先週,はじめて「物理1」の参考書を見て「へえ,物理ってこんなことやるのかあ」とか言ってたくせにである。いくら模試とは言え,わずか一週間で,まったく知らん科目を受験するとは,なかなかの豪傑。

しかし,こういうふうに,「根拠はないけど,オレなんかできそうな気がする」とやたら無邪気に思い込めるようなヤツは,実際には,意外と何でもやれてしまうもんかもしんないんだけども。

わが息子ながら,面白いヤツである。


08/08/2011

なかなかできーん,現実逃避

2011年08月07日

気がつけば8月,小説講座の事務所は,そろそろ秋の生徒募集を開始せねばならぬ時期。

あいかわらず,アレコレ締切がせまっているのに,煮詰まっている。めちゃくちゃやばい。

こんなときには,どうしても現実逃避して,誰に言い訳してもまったく仕方ないのに,自分に対して言い訳ばかりする。 今日も一日,自宅の顕微鏡とパソコンで粘るつもりが,やらなきゃいけない原稿をほりだして,まったく関係のないDVD見てしまった。

何とか逃げたくてしかたない。

こんな気分の時は,小説講座の生徒さんにいつも言っていることをそのまま自分に言ってやりたい。
「イヤならやめちまえ,やめちまえ。やめれるものなら,それで自分で納得できるんなら」 (仕事はそうもいかんけど,今日のヤツは依頼原稿でもなく,仕事ではないので)

みんな,デビュー前の小説は,まったく仕事とは関係のないことで,このまま辞めてもどうってことない。誰に命令されているわけでも頼まれてやっているわけでもない。それは,小説講座の生徒さんたちと同じ。やりたいからやってるだけで,辞めるか辞めないかは自分で決めることができる。

そう,自分を見捨てるのは自分だけ。

でもね。

本来,やるのが面白いからやってるはずなのに,このように時々,しんどくなるのは,いいことでもある。なぜなら,それだけ「いい結果を残したい」と思っているからだ。

あー,しんどい。

そんでもって,こういう逃げたいような体験も,社会人向けの小説講座の生徒さんの立場を考えるうえでも参考になるとか,そう思っとこう。

08/04/2011

「トランスフォーマー3」を3D鑑賞

8月3日

Facebookを見ると,堺先生と都築先生が「箕面」にトランスフォーマー3を見に行くという。それを見て,即座に「連れていってくだされ~」と書き込んでしまった私。

なにせ箕面は,ただの3Dではなく,アイマックスなのでござる。しかし,ここの上映時間は遅いのだ。終了時刻は12時なので,帰りのバスがもうないのでござる。これでは一人では見に行きたくてもなかなかいけない。 でも,都築先生なら車を出されるわけである。しかも先生のご自宅だと,私の家はちょうどその帰り道の途中にあたるのだ。わーい。

というわけで,先生たちにお願いして,ついさっき見て帰ってきた。 大人4人で,並んで真正面。

12時に終わって,12時40分には帰宅。おお,はやい。先生,送ってくださって,ありがとう!  いや,とにかく3Dがめちゃくちゃかっこよかった!!  こりゃ,3Dの値打ちあるぞ。男の子なら間違いなく,おもちゃが欲しくなるよなかっこ良さでした。

いや,満喫! 

08/01/2011

今日からしばし独身(家族が海外旅行中)

2011年07月31日

今日から家族が海外旅行中で,しばしの独身状態だ。いえい。
一番嬉しいのは,毎日の食事を作らなくていいことだ。うちはなにせ5人家族だから,昼の弁当を含めて一日あたり15食。買い出しだけでも面倒なのさ。

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