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02/21/2009

小説もプロも、たぶん好きこそ続けることができる

1月20日(金)
終日、外出。小説講座の事務局には入れず。

午前中、某研究室を訪問、そのあと少しだけ顕微鏡観察。昼から戻って、小学校の参観。終わってから中3の息子の進路懇談。それから事務所へ戻って仕事する予定だったのだが、参観でも顔色が悪かった長女(双子の姉の方)が38.2度の高熱。

小説講座の生徒さんの中には、けっこう不安を抱えている人が多い。うちはほとんど社会人の人ばかりで、みんなけっこう「大人」だし、むしろわかりやすい性格の人はほとんどいないので、一見わかりにくいけど。

しかし、こういう場合、私ができることはほとんどない。できる限り、精神的なフォローはしたいとは思うけど、不安の本質はおそらく個人的なものだから、できることはしれている。せいぜい話を聞いて、こういう例もある、と説明できるところは説明するだけである。

落ち込む人の過半数は、早くデビューしたいという焦りがある人である。もちろんデビューとなると本人の実力と運の兼ね合いがあるので、けっこう難しいこともあるのだが、これには大きく二種類あって、実力そのものがまだまだ足りない人、それと、実力そのものはある程度あって、最終選考など、選考もそこそこ行くのだけど、今一歩という人である。まあ、わかりやすく言えば、実力がまだない人と、実力はあるけど運がないとか、そういう人である。

そりゃ、「実力はあるはずなのに、何度応募してもなぜか一次も通過したことがない」という人も、確率的には絶対ないとは言えないのだろうが、小説コンテストの下読みする人はさすがにそれほどバカばかりではないので、それなりにちゃんといいものが書けているなら、そうそう何度も落ちる方がむしろ難しい。まあ、私が知る限り、どうもたいていの場合、ご本人の「自分の実力」のレベル判断が間違っていることが多い。

「なぜ一度も、一次選考すら通過しないのか、自分ではよくわからない」
という人の作品を見せてもらったことは、たびたびあるのだけど、
「やっぱ落ちるよなあ、これは」
と思ってしまうことの方がほとんどである。

しかし、小説講座に入学してくるような生徒さんは、さすがに勘違いしてるような人は少ないし、それに、もし「自分の実力がさっぱりわからない」とか「自分ではけっこう面白い作品を書いてるつもりなのに、コンテストに応募しても全部一次もひっかからない」という人でも、さすがに入学してはだいたい半年くらいたつと、講義を受けたり、作品指導を受けたりして、自分の実力がどのあたりなのかだけは、なんとなくわかるらしいのである。

この「わかりだしてきた時期」というのが、けっこう難しい。うちの小説講座は、10月か11月の入学だから、だいたい1〜2月くらいがそういう時期である。もちろん入学した当初は、多かれ少なかれ、誰もがプロ作家になりたいと思っているはずだが、どうも自分の実力がまだそれほどでもないらしくて、これから先、かなり努力しないとプロ作家になれそうもないと思うと、ちょっと不安になる。これはならない人の方がめずらしい。ただし、入学までに小説を書いたことがない、まるきりの初心者という人も中にはいて(うちだと3割くらい)こういう人は、もともと自分は書けないと思っているもんだから、そういう悩みはない。むしろ不安になるのは、入学までに長編とか自分ではこれまでにけっこう作品を書いていたという自負のある人のようである。

どうも、これまでそれなりに書いていた人は、講師の話を聞いたりすると、どうも自分がやってきたこれまでのやり方ではダメだと否定されているような気がするようである。まあ、うちの場合、講師が何人もいるので、それぞれの話をよく聞けばわかるはずだが、本当は人それぞれやり方は違うので、必ずしも全面否定されているわけではないのである。そもそも小説創作には、そんな絶対的な方法がどこかにあるわけでもないのだから、別にあたりまえだと思うのだが、「これまで自分は一体何をやってきたのか」などと考えだすと、けっこう深刻らしいのである。

毎年、どうもだいたい今頃の時期とか、3月の前期課題の指導が終わる頃くらいがそういう思いをもつ人が多いようだ。でも、それがわかっていても、私ができることはほとんどない。小説講座の担当者がやれることはたかがしれてるし、どんなベテランの編集者でも作家でも実はどうしようもないのである。

ただ、実際のところ、どんなに苦労しても何とか作家になりたい、ぜひそんな作品が書きたい、そんなふうに思えるかどうかは、やっぱり最後は、どうもその人がどれだけ小説というものが好きかどうかにかかっているような気がしている。小説というのがとことん好きじゃなかったら、無理してプロ作家になっても仕方ないと思うしなあ。


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