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04/30/2008

小説とは関係のない休日(祝日だがお仕事)

4月29日(火)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、祝日お休みです。

本日は、夫は休日出勤。子供たちは3人ともそれぞれの友達とどこかに遊びに行ってしまう。そういうわけで、私は、午前中は家事、午後からは終日パソコンの前でお仕事。

04/29/2008

小説とは関係のない休日(ゴールデンウイークらしい)

4月28日(月)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、祝日お休みです。

世間では、今週からゴールデンウイークらしい。でも、私の場合、だからと言って、別に仕事量が減るわけでもないので、仕事が「テイクアウト」になるだけだけどね。5月の連休中は、大阪NPOプラザ自体が閉館なので、事務所には行かないかもしれないが。

ま、今年は、少なくとも私の周囲では、カレンダーの通りという人が多くて、11連休という人はあまりいない。うちの夫も、明日も部活か何かで出勤しなくちゃいけないらしくて、5月の4連休だけである。

04/28/2008

小説とは関係のない休日(クラゲとか、潜水艦とか)

4月27日(日)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、木曜お休みです。

昨日は朝から、多奈川海岸に行ったのだが、どうせ夕方には仕事に行くし、時間もないから下調べをほとんどしていかなかった。で、今日は、朝からゴチャゴチャと気になるところを調べもの。

しかし、実際に見に行ったのは、和泉層群という地層なのだが、例によって、好奇心旺盛というか、もともと関心がずるずるズレていく体質の私。海岸に打ち上げられていた大量のアカクラゲ(30センチほどあるのがゴロゴロ)について、あれこれ調べたり。火力発電所について調べてみたら、どうやら川崎重工の泉州工場跡地だったという話に興味をひかれたり。泉州工場については、潜水艦をつくっていたというのを確かどこかで何か読んだ記憶があるのだが、それが岬町だったとは知らんかった。岸和田あたりかと思っていたんだけどな。ついでに、古代の製塩遺跡とか。うーむ、岬町なかなかあなどりがたし。

でもって、エチゼンクラゲについての資料を探したりして、あれこれ読みふけってしまう。平和な休日。しかし、クラゲ発生というのもなかなか複雑な仕組みみたいで、なんだか魅力的な生物だな。

04/27/2008

創作サロンと基礎レッスンコース初日

4月26日(土)
夕方から小説講座&文章教室「基礎レッスンコース」講義初日。

朝から外出。夕方から天満橋へ。

本日の小説講座は、初のイベント「創作サロン」……といっても、私自身、慣れてなくて、思ったほどはうまく運営できずに申し訳ない。ただ今回は、本科と専攻科の合同クラスで、「コンテスト対策や勉強法など、いろいろ有益な話を聞けた」と11期の生徒さんたちにはなかなか好評。

文章教室は、本日が初日。フリーライターで編集プロダクション代表、テレビ番組の企画など幅広く活躍されている八木純子先生が講師。文章の基礎や企画の考え方などを話をされる。いつも明るく生徒さんたちを励ましてくれる八木先生。基礎レッスンコースは、半年間、わずか十数回という少人数の初心者向けクラスなのだけど、けっこう熱心な人ばかりみたいなので、ちょっと楽しみである。講義後も、八木先生も参加してもらったせいもあり、全員が飲み会に残っていた。このクラスは、私じゃなくてスタッフが担当するし、新しい講師もたくさん呼びたいと思っているので、色々楽しみなクラスである。

学費が安いコースはけっこう安易に入学する人も多いので(期間は短いことが多いので、退学者はほとんど出ないけど)、後半は出席率が落ちる人もいるものなのだが、ぜひがんばってほしいな、と思う。


04/26/2008

書類提出と落語の講義

4月25日(金)
午前中、小説講座の事務所。
大阪NPOプラザの事務所に、継続使用の申請書類を提出。一年ずつ更新しなくてはならぬのである。

夕方、「大阪落語への招待」という講義を聞く。大学の公開講座で、200人以上の大教室、一般の人も無料で受講できるのだそうだが、とても人気があり、抽選もかなりの高倍率。私は幸いにも学生登録なのだが、この履修も抽選なのである。一緒に行った学生さんは「優先カード」を忘れて落選してしまい、私だけが当選したのだった。落選した学生さんたちのためにも、ちゃんとマジメに受講するつもり。今回は「つる」などの実演つき。けっこう実演が多いらしい。講義回数は、十数回。けっこう楽しみ。おかげで金曜日の午後もしばらく早退である。ま、来週から月曜も夕方から出勤するつもりなので、金曜は早退ということで。まあ、私の場合、落語の勉強もこれも仕事のうちだろうし(いやたぶん)

しかし、どうやら見たところ、学生と一般受講生の年齢差が激しいらしく(一般受講者は全体的にかなり高齢である。なにせ平日の4時20分開始だしね)、これは講師としてはかなりやりにくいだろうなと思ったりする。講師はベテランの某落語家さんだが、なにせ高座じゃなくて講義だもんね。

私は、日頃、社会人向けの小説講座の生徒さんや、非常勤講師をやっている専門学校の学生さんたちに会ったりすることがあるのだが、学生と社会人というのは、年齢だけじゃなくて、知識量とか関心の持ち方が全然違うのである。社会人の受講生は、知識量と熱心さはケタ違いにあるのだが、これは年齢の問題ではなく、単に学生と違って、関心のない人は最初から受講しないので、関心のある人しか来ないからである。一方で、こういう人でも、関心があるのは自分の好きな領域だけだったりすることもあるし、だから、どっちの世代が熱心かというとちょっと微妙。

この講義では、両方ともに興味を持ってもらえるように内容もかなり苦心されてはいるみたいで、芸人さんの話題も出したりして、興味を持ってもらおうとしている工夫も。

しかし、講師側と違って、ただ受ければいいだけの立場だと、やっぱり気がラクだなあ。

04/25/2008

理系でも文系でも

4月24日(木)
小説講座の事務所は、日、月、木曜お休みです。

今日も、なんやかんやで「趣味」のお勉強。20年ぶりの学生気分。

さて先週は、元素周期表とか物理公式とか積分とかの話が出て、ちょっとあわてたが、図書館で借りてきた高校物理や化学や数学の本とか見たら、なんとなくちょっとずつ思い出してきた。まだまだ「なんとなく」だが。ま、理系でも文系でも関係なく、日頃使わない知識は、忘却の彼方なのである。ま、なんとかなるだろう。

しかし、なんとなく、どうやら頭のどこかには入っているような感じもある。なるほど、若いうちに勉強はするものである。しかし、すぐには思い出せないのが哀しい。

昼、例の編入生のオジサンとまた昼食をご一緒する。来年には会社で定年を迎えるそうで、今年は週1回の通学だけだが、来年度からは卒業研究に没頭するんだそうだ。学生もバイトやら就活に追われる人が多いんだが、年金でフルに勉強に専念できればそりゃあ一番楽しいだろうなと思う。

しかし、私は、好奇心があちこちにブレるタチのようだし、何か一つに専念するというのも難しいかもしれない。これでもけっこう考え込みやすいタチだから、一つのことに集中すると何か頭にひっついたままになるから眠れなくなる。子育てしながら、あちこち働きながら、忙しいとブツブツ言いながらも色々やっている方が気がラクだろうな、とも思う。

04/24/2008

その鎖がどこなのかわかりません、女王様

4月23日(水)

私は、仕事柄、日頃、大量に文章を読んでいる……のだが、言うまでもなく、これは100%日本語で書かれたものばかり。外国語の文章は読まない。つーか、読めないの。

しかし、ある事情により(例のお勉強のせいだ)、来週までに十数ページのある文章を読まねばならぬハメになっていて、今、大ピンチ。

the formation of the Sun, stars and nuclear fusion, heavy isotope, proton-proton chain, CNO cycle, dense soup of matter, collision between two deuteriums to make tritium……

なんだ簡単じゃないかという方は、ぜひメールを(笑)
もしかすると、わかる人にはわかるという、かなり簡単な内容なんだろうが、日本語で読んでもわからんのだから、英語で読んでわかるわけないやん。p-p鎖のとこで理解が止まる。物質特濃スープに、重水素が複数形。へるぷみい。

04/23/2008

多忙につき、脂肪がつき…

4月22日(火)

終日、あれこれ多忙。こういう時は、食事を適当に済ませてしまうのだけど、結果的にけっこう食べてしまう。私の場合、なぜか太ってしまうのが困る。ストレスがあると、かえって食べちゃうタチである。苦労してもあまりやつれもしなくて、かえって太るタイプ。見かけが見かけなんで、同情もしてもらえない。まあ、そんだけシブトイ体質なんかも。

04/22/2008

小説とは関係のない休日(明日の準備)

4月21日(月)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、お休みです。

夜、専門学校の非常勤講師の仕事のために、あれこれ準備。昨年度の講義内容から、少しだけバージョンアップ。私の担当するのは1年生なので、初回は学生さんが緊張してるから、私も毎回ちょっと緊張する。新しい学生さんに会えるのは、とても楽しみだけどね。

04/21/2008

小説とは関係のない休日(遊びと仕事の境界線)

4月20日(日)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、木曜お休みです。

ところで、私は、小説講座などの仕事の他、コピーライターの仕事もやっている。早くも十数年目である。とは言っても、私の場合、一番多い仕事は「産業広告」である。いわゆる雑誌のライターをやったりするが、やっぱり広告の方が収入は多い。「産業広告」ってのは、専門家向けの工業製品などの広告で、一般の人には目につかないような広告である。どっちかというと、てか、はっきり言って、かなり地味である。実際には、ここ数年、小説講座の運営と専門学校の非常勤講師の仕事で忙しく、なんだかんだで実際、広告や雑誌取材の仕事は極端に減っているのだが。

もちろん化粧品や食品の広告やイベントなど、色んなものもやってはいるけど、なんだかんだでおそらく8割くらいが、メーカーの会社案内やら製品広告など、いわゆる「産業広告」である。そのかなりの割合がコンピュータ関連。いや、私、コンピュータ知識はほとんどないんだけどね(なぜだか専門的な知識がなくても、メーカーのプロが思いつかないようなコピーをちゃんと書くってのが広告プロなのよね。いや、本当)

広告屋としては、本当は「一般向け広告」の方がキャンペーン予算なども多く、テレビなどマスコミで派手に宣伝を打つことが多いので、広告としてはかなり儲かるし、そっちの方が目立つし、おそらく「カッコイイ仕事」なのである。ただ、私自身は、そういう派手な広告よりは、個人的には「産業広告」ってのが、どうも性にもあっているらしい。巨額の広告キャンペーンを熾烈な競合プレゼンで奪い合うよりは、産業広告の方がなにかと気がラクである。多少の専門知識や業界知識は必要だが、産業広告は媒体費が低いため(広告出稿するためのテレビとかラジオとか、雑誌の広告掲載費が相対的にかからない)、そのため広告費に対して利益が少なくなるが、それだけ広告代理店の競合にもならないことが多いので、同じクライアントとそれなりに長くつきあえることになるからである。大きなキャンペーンの競合プレゼンなどは、勝ち負けの落差が激しいので、体力とか気力の消耗が大きく、フリーのコピーライターにとってはかなり負担がキツい。

どうやら私の場合、父が小さな町工場で働いていたりして、なんとなく「製造業」というのが好きだったりするようだ。いつも洗濯モノの中に「機械油まみれの作業服」がある家庭で育っているし、小さい頃ははんだづけとか、それなりにちょっとした工作もよくやったし、父が作ってくれた「知恵の輪」なんかで遊んでいたりしたせいかもしれない(手作りなので、たまに本当にはずせないヤツがあるのがお愛嬌)。弟も小さい頃から工作マニアだったしな。

そんなわけで以前、勤めていた広告代理店などは、9割以上がコンピュータ関連の企業がクライアント。その何割かが「業務用コンピュータ」やら「測量機器メーカー」だったりしたので、職場の雑誌棚には、デザインや広告業界誌のほかに、たくさんのコンピュータ雑誌やら「月刊測量」「日経コンストラクション」などという専門誌もふつうに並んでいた(むろんそれが広告掲載誌だからである)。つまり、そういう雑誌を読むのも日常的に仕事のうちだったわけである。この広告代理店では、測量機器メーカーのPR誌とかも作っていて、これには「特集 伊能図」「コラム太閤検地」とか軽め(?)の読み物だとか、「土地家屋調査士のオフィス訪問」などという記事もあったりする。技術者向けだから、当然かなりマニアックである。下水道CADなんてのも。

そんなわけで、私は出身大学も文系だが、仕事柄、そういうことにはずっと必然的な興味があったわけである。また、情報とか測量とか土木設計ではないが、冶金だの粉体だのも、新聞記事くらいは読んだりしたりしていた(ハイテク関係ほど技術自体に革新的な進歩はほとんどないのだが、その応用である製品はかなりおもしろいものがある。とくに粉体)。これらも知識はないけど、クライアントだったから。

そんなわけで、フリーランスになってからも、どっちかというと産業広告が多い。

で、今、非常勤の仕事の合間に、理学部の講義を受けたりしているのだが、そういうわけで、私の中では、内容そのものには全然何の違和感もないのである。ま、そりゃ今やっている仕事とは直接には関係はないのだが、私にとっては何となく全部つながっているわけである。

ところで、他にもいろいろ理由はあるのだが、今、地質調査などを勉強している直接的な目的は、寝屋川の歴史的変動(河道変動)を調べるためである。ま、これが趣味の研究。最初は、古文書やら古地図などを調べていたのだが、それだけではどうにもよくわからんから、やむなく最近は地質ボーリングデータを分析したりするようになったのである。こうなると、なにせ文系出身だから、完全な独学ではちょっとどころかかなり大変である。

で、これのそもそものきっかけは、上方落語の『野崎詣り』っていう噺があって、これがたまたま好きな噺だし、そこで描かれている寝屋川とか徳庵堤ってのは、自宅から歩いてほんの10分だし、何となくそれについて研究していたら、なぜかずるずると横すべりしてきて、ついに気がつくとどうも理系の範囲らしいところまで来ただけなのである。私は、若い頃には演芸場で働いていたりするし、大阪シナリオ学校では演芸台本科の担当をやったりしていたのだから、そんなふうに特定の落語の演目に興味があってもなんら不思議ではない。加えて、子供の頃からの恐竜好きで、古生物学の本もかなり好きとなれば、ついでに地層なんかに興味があるのは、しごく当然である。

今ちょうど広告の仕事が少なくて、小説講座なども人件費の関係もあって、非常勤の仕事しかできないわけだし。つまり、ちょっと時間があれば、まとめて勉強してても問題はない。とくに不自然はないのである。

ただ、たしかに夫から見れば、どうも私が何をやっているかさっぱりわけがわからんようで、昨日も朝っぱらから出かけたりしたので、おまえ毎日一体何やっとんじゃいと言われる。しかし、ま、あの人こそ、美術教師の仕事でも、ある時にはパソコンでDTPやったり、ある時は陶芸やったり、シルバーリング作ったり、木工やったり、何のこっちゃわからんことやったり、それは授業だからいいとしても、プライベートでも現代美術やったり、前衛ダンスをやったりして、まったくわけがわからない。何よアンタだけには言われたくないわという感じである。

だいたい毎週いつも妙なダンスの練習をしてるし、たとえば高校生に教えるガラス工芸の教材のために自宅でもトンボ玉づくりをやったら、なぜだか上達しすぎて、画廊のオーナーに声をかけられて、気がつくといつの間にか「個展」をやってしまうような男が、たとえ私に何か言ったとしてもどうせ説得力はないのである。ちなみに、そしたら作品が飛ぶように売れたので、それを全額投入して高いバーナー買ってたが(だから結局、赤字)、そもそもどうしてそこまで上達するほどハマるのだ。ぜんぜん高校生の授業レベルじゃないやん。おかしいやろ。ま、「現代美術」の作品っていう、妙な物体よりはよほど理解できるが。

けど、小説講座の講師の先生たちや生徒さんたちなんか、小説のネタにするために急に妙な本を買い込んだりすることはけっこうあるだろうから、あんまり違和感ないんだろうなと思う。どうせきっと、みんな似たようなもんである。

実際、仕事でモノ書きなどやっていると、案外、人生、ムダなことなんかないもんだなあと思ったりするもんである(たぶんね)

けど、なんだか、今やっぱり週2日も「遊びに行ってる」気もするので、家族にはちょっと気が引ける。さらに、マンガを読むのも映画を見るのも小説を読むのも、これもどれもぜんぶ仕事のうちなんだが、あいかわらず、それもどこか気が引けるのには変わりがないのだった。

ま、たしかに仕事と遊びを兼ねてるけどなあ。

04/20/2008

南海電車ストップ、文章教室は初日、桜の通り抜け

4月19日(土)
夕方から、小説講座(11期)、基礎レッスンコースの入学説明会。

夕方から小説講座の仕事があるのだが、私は早朝5時くらいから起きて、7時20分頃に外出する。日中は某大の現地研究に同行するのである。夕方からの仕事の準備は、昨日、済ませてある。資料などは、すべてスタッフに運んでもらう予定なので、私は夕方から直接、天満橋に行く予定。

8時頃、動物園前で降りて、新今宮まで歩いて南海電車に乗り換えようとしたら、駅員さんたちがメガホンを片手に「火災のため、南海本線は春木までの折り返し運転です」と叫んでいる。阪和線はなんだかんだで電車がよく遅れるのだが、なんと南海が止まっているらしい。これは予想外。

どうやら6時から止まっているようだ。しかし、10時に現地集合なのである。予定地は多奈川海岸だから、南海本線が動いてくれないとどうしようもない。JR阪和線は尾崎までなら並行しているのだが、多奈川はかなり和歌山寄りだし、あのあたりのJRは10〜20キロくらい山側を走っているのである。JR和歌山からもかなり距離があるし、だいたい友ケ島から船でも出さないとたどりつけんわ。こりゃどうしようもないなあ。うぬぬ。

見ると、改札の前に数人ほど、なんとなく見覚えのある顔がたまっている。今回から1回生の現地研究に同行させてもらうことになっていたので、その学生さんたちである。結局、遅れてきた人もそこでたまって、あっという間に十数人。皆がケータイを駆使してあちこち連絡をとると、ナンバの駅にいるらしい教授から「その場で、しばらく待機」の連絡。

しかし、「人身事故」ならすぐに復旧するだろうが、「沿線火災」てのはちょっと珍しいケースなんで、いつ復旧するもんかもわからん。一人の学生さんが、「出しなに朝のテレビを見たら、ニュースで工場が燃えているのを中継してましたよ」と言う。
「すごい煙が出てましたから、まだ燃えてるかも」
どうやら沿線のどこかで、なんかの工場が火災になっているらしい。

院生の人が、「ここ十年くらい、ずっと晴れてて、昨年も一度も雨に降られることすらなかったのに、こんなのは初めてで、ちょっと予想外」と言う。ま、そりゃ沿線火災なんて予想外。

それにしても、1回生は今日が初めて。ホントお気の毒である。みんな真新しい岩石ハンマーに新品のクリノメーターを持ってきたのにねえ(地質調査なのである)

私自身は、自然地理のある巡検に行った時に、3日間の日程のうち2日が雨で、それもかなりのどしゃぶりという悲惨な目にあったことがあるのだが(遠方への泊まりがけだと次の機会がそうそうないので、そんな雨の中でもけっこう調査をするのである)、さすがに「現地にもたどりつけない」ってのはちょっとなかったよなあ。うーむ、予想外。

「しばらく待機」と言われても、とくにやることがないので、やむなく編入3回生の女の子と雑談。しかし、ここ十年近くもずっと晴れていたというのが本当なら、けっこう貴重な体験である。ほとんどが1回生なんで、こんな記念すべき初回にこんなアクシデントだとはよほど不運。つーか、記録的。
「きっと雨男とか雨女などのレベルではなく、なんか『嵐を呼ぶ人』がこの中にいるにちがいないよね」
と私が言うと、彼女が、
「あっ、どうしよう。じゃ、それって、私のせいかも」
などと言う。
「たしか編入試験の日も、阪和線が止まって、試験が1時間遅れたんですよ」
「じゃ、これアンタのせいやったんか」
「そうかあ。じゃ、これで来週に延期されたとしたら、また何かあるとか」
「てことは、来週はたぶん大雨やね」
「やだ〜」
「ま、事故でも、これは誰かが事故したってわけじゃないから、ええんとちゃうの。来週たどりつけるか、ちょっと楽しみやね」

学生さんたちとそんな話をのんびりとしていたら、カートを引っぱった外国人夫婦らしいのが右往左往してたりする。関西空港まで行くならJRで代替輸送をしてるのだが、やはり南海が途中で止まっているとなるとけっこう困るのである。結局、10時まで駅で待機してたが、もう今日は無理ということで解散。

いずれにしても、やや珍しいアクシデントだから、来年からの数年間、この学科に新入生が入るたびに先生に語り継がれる「伝説」となることは間違いなさそうである。てか、せっかく昨日の雨があがったのに、学生よりも先生が一番お気の毒である。こういう現地調査は、たいてい学生よりも引率の先生の方が荷物も多い。学部の1回生の地質調査の初回だから、クリノメーターも使えない人ばっかりなんで、おそらく院生などアシスタント手配も何人かしていただろうしねえ。お気の毒。

そんなわけで無駄足だったが、私はいったん家に戻り、仕事へ行くことに。事務所の方はスタッフに任せてあるので、あれこれ書類を持って、天満橋の喫茶店にこもって作業。5時半すぎにエル大阪へ。

本日の11期は、後期ガイダンスと教室実習。修了課題について、30分くらいの説明をしたあと、いつもの教室実習。小説講座の実習ってのは、ほとんどが個人でできないようなグループ実習が中心なのだが、本日の課題は「リレー小説」。うちの講座では、専攻科でも1回くらいやったりするからけっこうおなじみの実習なのだが、本科では初めてである。ただ実はこれ、見た目よりは実際かなり体力を消耗するらしいので、そう滅多にできない。

やり方は何パターンかあるけど、小説講座でよくやるのは、たいてい3人一組になって、全員がそれぞれ最初10分だけ書いて、ぐるっと回して、次の人が10分、さらに15分、4回目にぐるっと回って自分の手元に戻って来て、それを20分間で無理矢理「完結」させるという(ま、むちゃくちゃになるもんだが)、ちょっとハードなもの。スタートの一行目だけはこちらで指定することが多いが、もちろんたいてい無茶苦茶である。実際の創作には直接あまり関係はないみたいだが、わりと生徒さんというのは、自分のやりやすい文章とか似たような話ばかりを何度も書く傾向があるので、日頃あまり使ってない脳味噌の片側を無理矢理たまに使ってみるのは、少しは発想力の訓練にはなるようだ。

ま、これを書いてもらうと、「ストーリーの本筋が何かわかっているか」とか、「話の発端部分がほんの数行でちゃんと人にわかってもらえるか」くらいはわかるのだが、そこんところは,なにせ10分でいきなり書くわけだから、必ずしもうまくいかないこともある。だいたい書き手にも思いつきで書くような「瞬発力」のあるタイプと、同じ作品を何度も何度も書き直していって、いいものにするという「持続力」タイプというのがいたりするから、そのあたりはええかげんである。

むしろ面白いのは、ほとんどの人が日頃、手書きをしないので、無理矢理、このように手書きをしてもらうと、おそらく本人がちゃんと考えた時よりも、なぜか面白い文章表現があったりする。焦って書くから、むちゃくちゃで意味がわかんなかったりするが、同じ人でもパソコンで書くのと手書きとでは文体もかなり違う。

個人的には、なぜかこうして書いてもらった手書きの方が多少むちゃくちゃでも個性がよく出ているような気がする。ちなみに、生徒さんの何人かは、どうも自分のいいところがよくわかってないのか、こういう面白いところを提出作品では書いて来ない。で、作品指導を受けても、なぜか悪い所をそのまま残して、いい表現を削ったりする。ちょっと不思議だが、「とにかく早くいい作品を書かなくちゃ」というような努力家で真面目な人に多いような気もする。こういう人は、何作か書くとすごくうまくなるけど、「本当に自分が何を書きたいのかわからなくなりました」みたいなことを言ったりする。こういうのは、どうも何でも書けるような器用なタイプほど、一時的にちょっと混乱するようだ。作家になるには、ちょっとくらいは不器用な方がいいのかもしれないなあ。

基礎レッスンコースは、まだ初回なので、受講上の注意など。初心者向けの10人前後の小さなクラスで、今年は学内からではなく、一般からの入学生の方が多い。専攻科からの入学生は、次からの参加。月2回しか講義がないのだが、たまたま来週から2週間連続で講師によるレクチャーが続くので、かるく20分ほど原稿用紙に文章を書いてもらう。まだ、どんなレベルの生徒さんかわからないが、女性が多く、熱心そうで、かなり感じのいい雰囲気だった。

終わってから11期の数人と飲み会へ。天満橋はオフィス街なので、いつも土曜日は人が少なめなのだが、「造幣局の桜の通り抜け」のせいだろうか、深夜になっても人数が多い。「通り抜け」と「天神祭」の時だけは、このあたり、土曜でも人が多いのである。

ちなみに、大阪では、春ってのは、いわゆる「お水取り」(もっとも、これは奈良)から「通り抜け」までである。だから、これが終わると、そろそろ初夏のである。

04/19/2008

ごくごく地味で平和な、愛のある生活

4月18日(金)
朝から小説講座の事務所。昼から外出。
戻って来てからも、夕方までずーっとコツコツ事務作業。

なんだかんだで、自宅のパソコンがまだうまくネットにはつなげてない状態なので、ブログの更新もけっこう難しい。先週から、例の事件も何の動きもなく、とりあえず平和な日々なので、とくにエキセントリックな話題もないのだが、メールで送ったのをまとめてアップ。できれば、このまま地味に過ごしたい。愛のある平和な暮らしが一番だ。

「基礎レッスンコース」への申込み電話もあり。
明日の19日は、いよいよ入学説明会。講義は、来週26日から。
少人数の実習クラスなので、どんな人が入学してくるかが気になる。もしかすると、専攻科からも何人か入学するのかなあ。(専攻科だと、学費半額、入学金免除)

このところ、毎朝5時半くらいの起床なので、かなり眠い。今日は雨なので、小5の双子の娘たちの遠足も延期だが、弁当は必要。毎日3人分だけでも多いと思ってたりするので、5人分の弁当づくりってのは、それなりの作業である。ああ、これを思うと、ふう。一人ッ子でもよかったよ。ま、3人の子供がいるから面白いこともいっぱいあるけどねえ。

よく考えたら、この双子もそのうち中学生なのである。そんなことにもそのうち慣れるのだろうが、この先、少なくとも8年間くらい、ずっと弁当を作り続けなくちゃいけないわけである。そう思うと……つまり、何千個かの弁当だろう。ううう、クラクラ。

いやいや、そんな先のことは考えないようにしよう。先を考えるのにも、後を考えるのにも、ちょっと中途半端な年齢だしな。ま、とりあえずは、「今を生きる」のだ。とにかく、今日と明日を生きのびる。

ところで、今朝、中3の息子に「制服がどれもこれも全部小さくなったから、すべて買い替えてくれ」と言われる。そういや、くるぶしまで見えているよズボン。小5の娘たちと中3の息子は、どうにも全員が伸び盛りで、にょきにょき、なんだか毎日手足が伸びてるみたいで、オマエらちょっと気持ち悪いぞ。昨日見たはずの我が子が、今日は別人だ。まるでエイリアン。めちゃくちゃメシも食うしな。

しかし、生きのびるってのは、もちろん体力もいるけど、金もいるみたいだな。ふう。

先週、生徒さんに「ブログを見たんですが、眠れないならコレ飲んでください」と何だかおしゃれなハーブ飲料をもらった(お気づかい、どうも有り難う。ま、もう睡眠不足がたまりすぎて、すでに連日バタンと寝てますけど)

これだけは、子供たちにもやらないでおこうと思う。

04/18/2008

地球物質とミッションスクールな女の子

4月17日(木)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、木曜お休みです。

今日も、お仕事……ではなく、本日は、趣味のお勉強のため、某大学へ。
地球物質の実習で(まだ私もわかってないのだが、おそらく鉱物結晶の化学組成についての実習ではないかと思う。たぶん)、輝石の計算で電卓を叩いてたら、休憩中、例の田中哲弥先生の大ファンという女の子が近くに来て、
「一昨日は、めずらしいところで会いましたね」
と話しかけてくる。
「田中先生は、大久保町ファンならたいてい『ミッションスクール』がダメだろう、って言ってたけど」
と言うと、
「そんなことありません。私は、ミッションスクールも全然バリバリOKです。先生に会ったら、早く新作を書いてくださいって、よく言ってくださいねっ!」
と熱く頼まれる。いや、そんなこと私に頼まれても。こんなところで。

だいたい、そんなことは、この十年ほど、ずっと私だって頼んでいるのであるんだけどなあ(考えてみたら、彼女は小学生の頃だろうな)

04/17/2008

そろそろ桜も終わり、平和な新学期

4月16日(水)
午後から小説講座の事務所。

今週末の「基礎レッスン講座」の入学説明会についてのスタッフミーティング。たまたま11期のクラスも教室実習&ガイダンスなので、ちょっとばかりタイムスケジュールの調整が必要。「基礎レッスン講座」の入学数は少ないのだが、まだ問い合わせはチラホラあるので、とりあえず2人分ほどは余分に用意をしておくことに。

家でも、子供たちは新しいクラスにも慣れて、例の不動産屋からの連絡も何もなく(いつか何かあるかもしれないが)、とりあえず平和な日々である。

04/16/2008

ハナシをノベル、大久保町ファンの女の子

4月15日(火)
朝から小説講座の事務所。

丁稚どんとコツコツ事務作業。丁稚どんから、「せっかく4人もスタッフもいるのに、もう少し事務作業のマニュアル化、効率化を図るべきですよ」という、大変ごもっともな忠告をいただくものの、そのマニュアル化能力、整理能力がない私。ダメじゃん。

夕方、淀屋橋へ移動して、新作落語会「ハナシをノベル」を聞きに行く。ギリギリに会場に着いて、客席を見たら、10期生と11期生の生徒さんもいた。田中啓文先生、田中哲弥先生、北野先生、牧野先生、我孫子先生などもいて、空いていた藤野先生の横に座る。本日は、我孫子先生と牧野先生の原作の2席。本日のは、どちらも聞きやすい内容で、新作落語ネタ下ろしのハラハラ感もあんまりなく、面白い噺だなと思う。そんでもって、もちろん、あいかわらず面白い作家トークつき。

ふと見ると、前の方の席に、どうもどこかで見覚えのある女の子が座っていて、気にかかる。
「たしか最近どこかで会った人なんだが、誰だっけ? 小説講座の生徒さんじゃないし、どう見ても、専門学校の学生さんでもないしなあ」
と思い、よく考えたら、つい先日会ったばかりの某大学理学部の2回生である。直接、話をしたことはないが、たしか実習の時に近くの席に座っていたのである。一人だけ新書を読んでいて、たしかジュンク堂のバックを持っていたので、たぶん小説好きなんだろうなと思っていたのである。小説講座ではそんなことめずらしくもないが、理系のクラスではちょっとだけ珍しい。小説講座の生徒さんにはイベント案内も配布したりするから、別にここで会うのも全然めずらしくもないけど、さすがにこれは一瞬わからんかった。

聞けば、田中哲弥先生の大ファンだそうで、繁昌亭の時にこの落語会を知って以来、通って来ているのだそうだ。「大久保町ファン」である。中学生の時に「大久保町シリーズ」を読んで、「ハートをずぎゅんと打ち抜かれた」のだとか。うーむ、熱いなそれは。それにしても、なんか、大久保町ファンって、コアな人が多いな。そういや、数年前の小説講座にも、小説を書きたいわけではないが、田中先生にただ一目会いたかっただけという生徒さんが入学して来たことがあったよな。

こんだけ待ちこがれているファンがいるのだから、山ほど新作をがしがし書いていただきたい。ぜひお願いします田中先生。

先生たちと飲みに行って、深夜に帰宅。

04/15/2008

小説とは関係のない休日(初歩のニュートン力学もわからない)

4月14日(月)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、木曜お休みです。

まったく使ってなかったわけではないが、大学卒業以来、ほとんど使ってなかった脳ミソの領域というのがけっこうある。その代わりに何かしらの知識と経験は入っているのだろうと思いたいが、今の私には、中学生の息子にもたせる「弁当の作り方」とか「高学年女子に人気の流行ファッション」の方がむしろ身近な話題であって、ニュートン力学とか、ビックバンとか、植物ホルモンとか、微分積分は、ぜんぜん身近ではない。いや、ホント。SF作家さんじゃあるまいし。

先週の木曜はかなり余裕だったのに、ちょっと後悔。ま、いいや。そのうち慣れるだろう。

04/14/2008

小説とは関係のない休日(ひたすら買い物)

4月13日(日)
小説講座の事務所は、日曜、月曜、木曜お休みです。

昼過ぎ、定期券売り場まで行ったら、あいにく閉まっていた。どうも4月から日曜日が休みになったらしい。この前までは日曜もやっていたはずなので、ちょっとショックである。せっかく電車に乗って来たので、もったいないから買い物をして帰ることに。まず本屋に寄って、地図を買おうとしたら、目当ての2万5千分の1がなく、しかたなく5万分の1などを買う。その反動で、なぜか大量に本を買ってしまう。さらに衝動的に服を買い、かなり金を使ってしまう。さらに買い物に疲れたので、喫茶店にも行き、本を読みつつ、一人でケーキセットなんぞも食う。せっかくちょっと体重が減ったので喜んでいたのだが、これもどれも仕方ないのである。なにしろ定期券売り場が休みなんだからもう。

(ちなみに、どうもこのところの心痛で数キロやせたみたいである。刑事告訴ダイエットである。一時的にやつれただけかもしれんけど)

おかげさまで、有意義な休日であった。

とりあえず、そう、思うことにする。

04/13/2008

最終選考からのあと一歩

4月12日(土)
夕方から講義あり。エンターテインメントノベル講座11期、小説専攻科。

10月から始まった小説講座は、本日から後期である。
11期の講師は、田中啓文先生。見学も2名ばかり参加。11期生は、仕事の都合などですでに2名ほど退学したのだが、残りの人は出席率がたいへんいい。昨年や一昨年に比べて、人数はやや少ないのだが、前期課題も全体的にはやや高いレベルだしね。先生は、体調があまりよくないとのことで、かなり心配していたのだが、飲み会までご一緒してもらう。専攻科のクラスは、青木先生の作品指導。ここ数回ではもっとも出席者が多く、講義後の飲み会も参加者多数。

両方のクラスがほぼ同時に講義が終わり、多人数で押しかけたら、中華屋の店長が「今日は、一クラスのはずなのに」と言う。会場の1階ホールに掲示板があるのだが、そこに教室予定が掲示されている。おそらくそれを見たのである。おっちゃん、あなどりがたし。「でも、先々週に、次は2クラスあるって、ちゃんとゆうといたやんか」と言うと、何やら厨房の中と中国語で話をしている。(店長と厨房のコックさんは兄弟。よくケンカみたいに大声で話す)どうやら、ご飯が足りないらしい。どういうわけか、11期生は年齢が若いせいか、ビールを飲む人の割合が少なく、その代わりに「ライス」を頼む人が多い。いきなり「大ライス」のパターンである(ここは小ライスでも、定食屋の大くらいあるので、大ライスだと完全などんぶり飯)結局、本日は「ライス」注文が少なかったので、不足はなかったようだが。

某ミステリ賞の最終選考まで残りながら、今月、残念ながら受賞ならずの生徒さんも飲み会に出席。あとで11期のテーブルにも来てもらって、作品を少し見てもらった田中先生からも、いろいろアドバイスをしてもらう。

それにしても、なかなかあと一歩が難しいなあ。

04/12/2008

あいかわらずの地味な日々

4月11日(金)
朝から小説講座の事務所。バタバタと事務作業。
明日は、久しぶりの講義日なので、あれこれ準備。

04/11/2008

プレートテクトニクスおばさんと一緒

4月10日(木)

あいかわらず仕事との両立がかなり不安だが、とりあえず、めでたく4月から非常勤の私。で、個人的な「趣味」のため、某大学で週に数日、講義を受ける立場となり、本日もその第一回目である。一方で、私は今年度も、専門学校で非常勤講師をやるので、つまり「先生」と「学生」を日替わりでやっていることになるわけだが。ちなみに、先生と違って、学生というのはかなり気楽である。ふふん。

ただ、実際、この講義のいくつかは、すでに数年前に週1回、科目履修で受けていたりして、あいにくもう履修させてもらえなかったりする。別に大学卒業資格が必要なわけでもないし、当時も、単位などは必要ないので、わざと試験を受けなかったりしたのだが、どういうわけかレポートとかがよかったらしくて(ま、全出席だったしな)、わざわざ単位をくれたりしたのである。というわけで、ちゃんと履修しているのは、実習がらみの講義だけである。

ところで、ここには編入生の人がけっこういる。今日も、学部4回生の社会人学生の男性に会う。日頃は仕事があるそうだが、週1回だけ有給を使って通っているらしい。来年には定年するのだそうで、そしたら勉学に専念できるんだそうだ。すでに子育ても終えた世代である。編入生だが、のんびりギリギリまで留年もして勉強するのだそうだ。うらやましい。昼食を一緒にして、同じ3〜4限目の実習を受ける。

5限目の講義は、6年くらい前にすでに聞いたものだったけど、大教室みたいだし、とりあえず教室に行ってみる。たしかに話の内容には聞き覚えがあったものだが、見たことがないビデオを使っていた。ビックバンから元素誕生というCGを使った映像で、おそらく初心者向けなのだろうが、なかなかわかりやすくて面白かった。毎年ちょっとずつ資料は変えているらしい。女性で地球化学が専門の先生だが、いろいろ話題も豊富だし、映像資料を使って最新のトピックスも紹介してくれるし、けっこうレベルも高いのにわかりやすくて面白い。この講義は、理学部の教職科目でもあって、専門科目ではないので、初心者にもよくわかるように説明してくれるのである。

終わってから、しばらく先生と話をしていたら、一番最後まで席に残って熱心に書いていた人がレポートを提出しに来て、「もしかして、あの時の人?」と話しかけて来た。50代くらいの女性で、たしか昨年の夏に会って食事も一緒にしたのだが、その時に私が「もしこういう分野に興味があるのなら、この大学で科目履修ができますよ」という話をしたのである。
「せっかく教えてもらったんで、昨年の後期から、いくつか講義を受けに来てるんですよ」
と言う。この人は、
「突然、プレートテクトニクスに感動しちゃって、とにかく急に勉強したくなって、いてもたってもいられなくなって」
などというかなり変わった話をしてたので、私の中ではひそかに『プレートおばさん』と呼んでいた人である。(学生の中では私もおばさん)

春からの前期もまた何コマか履修しているそうだけど、この先、人生もそう長くないので、早く仕事を辞めて、勉強に専念したいのだそうだ。なかなかタフな人である。しかし、今から一から勉強するとなると、それなりには難しいだろうが、それでも、こういう人ならあと20年くらいは何かしら研究できそうな気がするな。

というわけで、おそらく7月までの木曜の午後は、こういう物好きな人々に囲まれて(そう私もだよ)、楽しいキャンパスライフ(?)を過ごす予定である。

04/10/2008

どうでもいい文字化けの話

4月9日(水)

午後から小説講座の事務所。

事務所のパソコンは、どういうわけかMac。うちの小説講座は、もともと大阪シナリオ学校で開催されていたものなので、その初期の頃に購入したパソコンがMacだったから、運営独立した今でもそのままMac。ちなみに私は、学生時代に某外資系の製品開発部で実験助手のバイトをしてたので、たまたま最初に仕事で使ったのもMac。クリーム色のヤツだぞ。20年前だ。ははは。

ところで、Macのブラウザーは、Safariである。もともとIEだったのだけど、某雑誌の資料請求システムがIEに対応してなくて、Safariしか対応してないと言われたので、やむなく変えたのだが、こっちはこっちで、ちょっと不自由。あいかわらず、一部のサイトだけが文字化けする。

よく文字化けするのが、堀先生のトップページ。しかし、どういうわけか、しばらく他のサイトを見てからまた開くと、今度は文字化けしない。うーん。一体、これは、どうなっとるのであろうか。

どうやら古くから開設されていたページで、おそらく直接打ち込んで作ったと思われるようなページだと、一瞬、化けるようである。他のサイトではまず文字化けしない。

しかし、しばらく他のページを見てからまた開けると、勝手にちゃんとなるので、そこんとこがなんだか妙な感じである。そんなわけで、別に使うのにそれほど不自由はないのだが、なんだか不思議である。

今の小説講座の11期生は、コンピュータ関連の仕事の人が多いのだから、いつも一度聞いてみようかなと思うのだが、どうでもいいような話なので、講義の時にはすっかり忘れてしまう。ま、Macユーザーの人は少ないと思うが、理由を知っている人は教えてくださいまし。

04/09/2008

うちのスタッフはとても優秀

4月8日(火)

小説講座の事務所で、こつこつ事務作業。

ごちゃごちゃになった事務所の机の上をかたづけなくてはいけない……と思いつつ、当面、まだ生徒募集関係の事務があって、とにかくバタバタする。手際のいいスタッフのおかげで、無事、なんとか終了。

ところで、うちの事務所では、生徒作品の作品集を作ったりする「印刷作業」がかなりの分量であるのだが、火曜スタッフの丁稚どんには同人誌活動という経験があり、これがキャリアとなって、テキパキとあらゆる作業をこなすのである。一方、先月から新しく加わった水曜、土曜のスタッフがいるのだが、この印刷作業にあっという間に慣れた。めずらしい。聞けば、学生時代に文芸部。

このようなことは、世間ではとくにキャリアと考えられていないかもしれないが、うちの事務所では充分通用する立派な経歴であることがこれで証明されたのであった。めでたい。他にも、このようなキャリアをもてあましている方がいれば、役立つところでは役立つものなので、ぜひ活用していただきたい。

ま、やっぱ、ちょっと変わった職場かもしれない。

04/07/2008

パイン飴、放送作家、玉子パック

4月6日(日)

小説講座の事務所は、日曜、月曜お休みです。

この春、めでたく受験生となった中3の息子と話をする。
「それにしても、アンタがあの隣のおばあちゃんのこと、こんなによく覚えているってのは奇跡やなあ。亡くなった時、かなり小さかったはずやのに」
「そうかなあ。でも、けっこう覚えてるで。なんか色々もろたし。アメとか」
「アメ?」
「うん。確か、あれでボク、パイン飴の美味しさに目覚めたんやな」
「パイン飴?」
「今でもパイン飴、食べたら、ちょっと思い出すかなあ」
「ふーん。パイン飴ねえ」

今ではすっかり私の身長を抜かしてしまった息子だが、彼は小さい頃、ちょっと女の子みたいな顔をして、いつもニコニコ歩いている素直な性格(やはりただのアホかもしれないが)の子供だったから、そういや、近所のおばちゃん連中にはけっこう可愛がられていたのであった。隣のおばあちゃんも、よく話しかけて、いろいろなものをくれたりしていたらしい。

パイン飴……。パイン飴のおばあちゃん。

子供の思い出なんて、そんなものかもしれない。

天気のいい平和な日曜日。朝から夫は、庭にレンガブロックを敷き詰めている。全部で99枚あるそうだ。何もかも自分でやりたがる夫は、自分で自転車置き場をつくるつもりらしい。どうでもいいが、今日中に終わるのだろうか。横では、3人の子供たちがなにやらノコギリで木を切っている。どうも鳥の巣箱をつくっているつもりらしいのだが、どうみてもゴミ、あるいは「現代アートのオブジェ」である。仮設の囲いにおおわれた隣の敷地には、住宅会社のノボリがはためいている(この会社は例の業者とは別なのだが、こちらは住宅を同じ土地付で売っているらしいのである)。もちろんブロック塀などはなく、壊れたブロック塀のガレキがまだころがっている。

どこからか、桜の花びらが風で飛んでくる。世間では、花見でにぎわっているだろう。

私だけが家にひきこもり、この数日、気になっていたことを片付ける。このところ、例の件であまりにも自分のことで頭がパンパンになっていたのだが、実は、この間に、かなり親しい人が、まったく別の件で「うそ、マジで!?」みたいな状態になっていることがわかったのだ。どうやら誰も知らんらしいし、私が聞く限りではどう見ても完全な詐欺話だが、さらに悪いことに本人はまだ信じている。

けど、たまたま今は、私もなにせ自分のことでいっぱいいっぱい、どうにもならんので、誰かもっとアテになりそうな人に話をして頼んでおきたかったのだ。もしそれがホントならものすごく大変だから何とかしてみると言ってもらえて、ほっとする。ええ、お願いします。こっちは余裕がなくて。いや、もう頭いっぱいいっぱい、なんすよ。

その「マジで!?」というのは、簡単に言うと、この人、平凡なほんの小さな会社の経営者なのだが、
「数千万くらいのおもいっきり詐欺らしい手口にひっかかって、ぐちゃぐちゃになってるうえに、さらに今、別の国際詐欺にひっかかりかけ」
という、「マジで!?」「なぜに!?」という、ちょっと驚いた話なのだ。さらに相次いで、周囲の人が立て続けに病死や突然死で亡くなるという、聞けば聞くほどありえない話。そりゃ、こんな話、世間には色々いくらでもあることなんだろうけど、こんな立て続けに身近にあると、頭クラクラするな。ホント。うーむ、ホントにあるんだなあ、こういうの。なんだ、私って、今まで、たまたま平和に過ごしてただけなのね。

そりゃ、こんなこと、これが小説のエピソードなんだったら、あんまりにもベタだけどさ。だから、小説講座の生徒諸君。やっぱ、現実にはこれくらいの話、掃いて捨てるほど転がっているそうなので、てことはね。もしフィクションならね、もちょっとどころか、もっと徹底的にやりまくったくらいでちょうどいいわけですよ。たぶん。だから主人公は、もっと不幸にしても大丈夫。てぬるいことをせず、徹底的に不幸にしてもいいんです。なにせ小説なら、そういう展開なんだったら、その後で必ず、奇跡の逆転、あるいは、名探偵かヒーロー登場。そう、それがエンターテインメント的。

ああ、リアルに生きるって大変なことだなあ。

はいはい。わたしゃ、小説講座を運営しながら、せっせとリアルに生きてますよ。

日曜日なのに、あちこち電話。
某テレビ局の法律相談番組の構成をやっている(たぶん20年くらい)放送作家の先生に
「弁護士さんを紹介してくださいよ〜」
などという、かなり無茶な個人的相談をあっちこっち騒がしながら電話する。本人の番号を知らなくて、たどりつく前に、別の放送作家さん二人にも電話したりしたので、これじゃみんなになんのこっちゃと思われているだろう。ちなみに、3人とも大阪シナリオ学校時代にお世話になった講師である。

大阪シナリオ学校はほんの小さな学校なのだが、放送作家、演芸作家の養成校としては、知る人ぞ知る名門校。在阪番組のほとんどに、卒業生作家がいるほどである。ベテラン級から新人作家まで。創立50年以上の歴史は、けっしてダテではない。

「境界線問題ってのは、法律関係ではけっこうトレンドで、今、簡単な決め方もあるんだけどねえ」
「それ、知ってます。土地家屋調査士さんに依頼して、法務局に出す申請書類を準備してもらってたら、その間にこんなことに」
「ふーん、それはもう変だよねえ。いきなり刑事告訴ってのも無茶苦茶だし。それ、やっぱどうも後ろにヤとかいるかもねえ」
と言われ、余計にビビる。

やっぱ、そうっすか? ま、確かにファッションはアレなんですけども。

「で、いきなり弁護士さんの費用で最低50万、裁判ごとに10万だし経費込みでたぶん100万とか、なんじゃそれ、なんなのっ、って頭くらくらしちゃって」
「ふんふん。ま、アテになるかどうかわからないけど、ちょっと2〜3日考えてみるから待ってて」
と言われる。また電話をくれるらしい。よくわからんけど、今はそう言ってくれるだけでもありがたい。

私は、弁護士費用の相場ってのは知らないんだが、最低50万、たぶん100万と言われて、「えーっ」って、驚かない主婦はおらんと思うがなあ。家計簿感覚とは全然違うもんな。まして、ただの30センチの境界線で。

私なんか、日頃、スーパーの玉子パックが20〜30円安いだけで、けっこう喜んでるつーのに(ちなみに、近所のスーパーは、毎週水曜日は500円以上買うと1パック100円。安い!)

某ミステリ作家にも御礼の電話をして、それからスーパーに買い物に行く。

食パン、みたらし団子、じゃがいも、白菜、きゅうり、にんじん、ニラ、鶏ミンチ、焼きそば用麺、牛乳……。三人の食べ盛りの子供がいるので、いつも自転車のカゴいっぱい。

買い物から帰ってきて、庭にいる家族を見ながら自転車を置き、それからベランダに干しているたくさんの洗濯物を見上げながら、ふと、あの例の業者の「ミナミの帝王」ファッションの若い社長にも、もしかすると、家族とかいるのかな、と考えてみる。

04/06/2008

眠れない夜、ミカンの夢を見る

4月5日(土)

今日は、めずらしく講義のない土曜日。今週は、生徒さんたちは、春休みである。(1週だけだが)

遅めにやってくるスタッフを待ちながら、一人でコツコツ事務作業。「ライティング講座」が不開講になり、「基礎レッスンコース」だけが開講することになったので、その関連事務をいろいろ。

こっちのコースは、19日までは追加受付をする予定なので、そのための追加のDM発送と、専攻科の生徒さん向けの学内割引学費も決めないといけない。そうそう、不開講の「ライティング講座」の教室キャンセルも。

「基礎レッスンコース」は、新しいスタッフに講座担当をお願いするつもりである。他の事務もあるので、月あたり55時間の契約である。今、うちの事務所に新しいスタッフを雇うような人件費があるのかと言われれば、実は、4月から私が来ない予定なので(実際はそうもいかんだろうけど)、費用は、そっちから出すことに。ま、いつ何が起こるかわからん状況だから、スタッフは多い方がいい。なにせこの十年、毎週土曜、ほぼ休みなしなのだ、私は。

事務所が閉まったあとも(土曜日は、大阪NPOプラザは6時閉館)8時半まで、スタッフと隣のファミレスで打ち合わせなど。

こんなふうに仕事をしている間は忘れられるけど、実は、夜、あまり眠れない。

あまりにも慣れないことに巻き込まれていて、やはり寝つけないのである。忙しいのもあわさって、実は、この十日ほど毎日、ほんの数時間ずつしか寝ていないから、さすがに来週あたり、なんなら薬でももらいに行こうかと考える。このまま眠れないとそのうち倒れそうだし。

毎日、うつらうつら。昨日は、ミカンの夢を見た。

隣に住んでいたおばあちゃんの夢である。今は、更地になっている隣の家は、ちょっと複雑な事情があった家である。三人の子供、その両親、母方の祖母という5人家族が住んでいたのだが、このご夫婦が離婚されて、なんだかんだで二人とも出て行った後は、このおばあちゃんが子供たちの面倒を見ていた。二人のお兄ちゃんとちょっと歳の離れた妹さんであった。上の二人のお兄さんは大人になって、この家から独立されたあとは、しばらくおばあちゃんとこの末の娘さんが住んでいた。おばあちゃんは、この末っ子の娘さんを一番かわいがっていたようであった。ほっそりとした可愛い娘さんだった。娘さんも一時、独立して家を離れていた時期もあったりしたけど、このおばあちゃんだけはずっと住んでいた。とてもいいおばあちゃんだった。

近所でもすこぶる評判のいいおばあさんで、とても働き者で明るくて、南側の角の家だったから、庭にはいつもきれいな花々を作っていた。手先も器用で、隣に住む私たちに料理などいろいろ分けてくれたり、まだ赤ん坊だったうちの双子たちにもお揃いの赤い帽子付きフードを毛糸で編んでくれたこともある。小さな庭にはミカンやブドウの木をつくっていて、とれたブドウをわけてくれたりしていた。そんな人だから、たいへん人気者で、いつも近所のおばあちゃん連中が集まってきて、明るい園芸話で盛り上がっていたりした。誰とでも仲よくされていて、いつも誰かと井戸端会議をしていた。

この家と私の家のベランダがちょうど仲よく並んでいたので、朝、たまたま洗濯を干す時間が重なることも多くて、私は子供たちのオムツを干しながら、たまに簡単なおしゃべりをした。

なんでも、若い頃は、大きな病院の婦長さんだったそうだ。私は、なるほどそれで人望のあるキビキビした人なんだろうなと思っていた。以前は、岡山に住んでいたそうで、亡くなった旦那さんの話も聞いたことがある。新聞記者だったそうだ。

娘さんが若くして自殺してしまった時、おばあちゃんは岡山の長男夫婦のところに行っていた。見つけたのは、一緒に住んでいた女友達で、ぎゃーっという声がしたので、向かいに住んでいた大学生の青年があわてて見に来て、彼が救急車とパトカーを呼んだそうだ。鴨居に首を吊ったらしい。そのしばらく前から「死にたい」とか何度か言っていたそうで、亡くなる30分前にもお兄さんに電話したそうだが、「わかったわかった」と切ったのだそうだ。

パトカーが来たのは、夜の11時半くらいだったか、とにかくそれくらいである。たしかゴールデンウイーク頃であった。小さな子供たちがいる私たち夫婦は、何事かと思いつつ、それでも布団から出なかったのだが(あとで実家の母に、近所中、あんな騒ぎでよく寝られたわね、と言われた)、こんなことは、閑静な住宅街では大事件である。

そのあとの娘さんの通夜も告別式も、すぐ近所の公民館やることになったので、近所の人たちはみんな出席した。娘さんの友達がいっぱい来ていた。まだ20代前半だった娘さんの友達だから、みんな喪服姿にも慣れてないような若い娘さんたちで、ほとんどが、ぼとぼと大泣きしていた。誰の目にもわかるほど、すっかりやつれたおばあちゃんが、家族席にまるでなんとかしがみつくように座っていて、みんなが「あれ、あんなに小さくなって」と心配していた。

公民館の前は、児童公園になっていて、何も知らない小さなうちの双子は、ゾウさんのすべり台で遊びたがった。8年前の話だから、たぶん2歳くらいだったのだろう。今、10歳のうちの双子には、あの娘さんに、ちょっと遊んでもらった思い出なんかない。長男だけは、よく声をかけてもらった隣の優しいおばあちゃんをちゃんと今でも覚えている。

それからずっと空き家になっていて、おばあちゃんも亡くなったことを私たちが知ったのは、娘さんが亡くなって1年たった命日の頃。娘さんが亡くなったのは5月だが、その年の10月に、おばあちゃんも亡くなったのだそうだ。病死だそうである。

先週、父と話をしていたら、こんな話を聞いた。

ちょうど命日の頃、亡くなった娘さんの母(おばあちゃんから見れば娘)という人が来て、
「おばあちゃんの遺言で、残った家は、隣の家に売ってやってくれ、と言われていたので」
と言ったのだそうだ。今住んでいる土地は、もともと私の実家だから、父の所有になっていた。うちの両親は、おばあちゃんともかなり親しかったので、「それならとくに必要もないが、買いましょう」と言って、一緒に登記事務所まで行ったのだそうだが、結局、その時は手元に権利書がなく、その日は手続きの依頼をしただけで、購入はしなかったのだそうだ。

あとでわかったのだが、それは別居していたダンナさんが権利書を持ち出していたのであった。どうも購入資金は、婦長をやっていたおばあちゃんの退職金とダンナさんとのローンだったそうだから、家の名義が共有になっていたのだそうだ。ちなみに、もちろん亡くなった娘さんから見れば、父親にあたる人だが、私自身は、この人をほとんど知らない。

そんなわけで、結局、この家は転売されて、例の業者が買ったわけなのだ。うちの父だって彼らとあまり商談とかしたくもないような感じだったのに、なぜか家の購入話だけは何度もしていた理由がようやくわかった気がした。

どうも父には、そのおばあちゃんの遺言が心にひっかかっているらしい。遺言ってゆったって、ただ口約束に過ぎないだろうし、そんなもの、私たちには忘れてしまえばいいだけのものなのだが、なんとなく、父の心にはちょっとひっかかっているらしい。

でも、私にも、亡くなった娘さんを気にして、さらに残された家を気にしていたような、おばあちゃんの気持ちはちょっとわかる。

なんとなく、私は、あのおばあちゃんは、家や土地ではなく、なんだか、たぶんブドウの木やミカンの木、その他の植木を気にしていたような気がしている。

この家が空き家になっても、近所のおばあちゃんの園芸仲間が、誰もいなくなっても、なんとか植木が枯れるのを阻止しようと、かなり長い間バケツやホースをひっぱってきて、外側から水をやったりしてたのだが、いかんせん、やはり他人の家の庭である。一つ枯れて、二つ枯れて、おばあちゃん自慢のブドウの木も枯れてしまって、最後に残ったのは、誰も世話もしないのに小さな実ばかりたくさんつけるミカン、大きな赤い花を咲かせるボタン、ピンクの縞模様がはいった白いバラ。

5年ばかり、ずっと空き家のままだったから、庭木は徐々に枯れていった。

解体屋さんが来た夜、庭に倒れていたミカンの木を見つけ、うちの息子がその枝をひきずってきて、
「これ、おばあちゃんのミカン、ママ、なんとかならないの」
と聞いたけど、それはどうにもすることもできなかった。

例の業者が頼んだ解体屋が壊すその日まで、あの庭の片隅には錆びたままのグリーンのミニバイクがほこりまみれで置いてあった。娘さんが亡くなったその日も乗っていた小さなバイクである。バイクの横には、風でまぎれ込んだ紙ゴミや空き缶がくすんで転がっていた。

いなくなった人も、なくなった木も、もうどうすることもできない。

なのに、夢で、まだ隣のおばあちゃんのことを思い出す。

ちょっと、涙が出る。

やっぱり、ちょっと眠れない。

04/05/2008

明るく楽しい平和な小説講座

4月4日(金)

小説講座の事務をしつつ、例の件でも奔走。生徒募集の忙しい時期なのに、かなり大変。なんか事務でミスしないか、ひやひやする。なにせ非営利団体の小さな事務所だから、なかなか融通がきかないしね。しかし、こういう時は、何人かスタッフの人がいてもらえて、ホント助かるのだった。

意外なことに、私の周囲には法律関係者がいっぱいいたようで(日頃、そんな話をしないものだから、全然知らんかった)、長年つきあいのある友達も、ダンナさんが弁護士だったりして、私の周囲にはものすごく弁護士さんがいっぱいいたようである。メールなどで、いくらかご紹介いただく。皆さんご心配おかけしてありがとう。

刑事告訴は、あちこちから「よほどの事がない限り、そんなもの、ほぼ不起訴」と言われてしまったので、とりあえず、しばらく証拠だけちゃんと確保しておくことにしたし、こっちの件は検察からの連絡が来てから依頼することにして、当面、民事だけお願いすることになりそう。ミステリ小説だったら、ここで名探偵の弁護士がやってくれるものだが、現実社会では、誰かにお願いしたらいいかを考えなくてはいけない。今のところ、例の人が相談に乗ってもらっているのだが、弁護士ではないので、どっちみち時間の問題。

たとえ、私にとってどんなに理不尽な話でも、むこうから訴えられたら弁護士をお願いしざるを得ないわけだし。ま、ちゃんと資料も揃えたから、話はしやすいと思うけど、今週中にそろそろお願いしないといけない。例の人も、民事はそろそろ誰かにということを言ってるみたいなので、とりあえず、今週中に何人かの人に会ってみよう。ただ、あんまり方々から声をかけてもらったので、なんか紹介されるのも気を使ってしまう。だって、どっちみち、うちはあんまりお金がないし、どのみち弁護料としてはそれほど儲かる話じゃないみたいだもの。ふう。でも、ま、こんな面倒な話でもよければ、どなたかお願いできそうな人がいれば、紹介してくださいまし。

しかし、ふと思ったのだが、これって直接会って話をするわけにいかないのかなあ。例の近所の人みたいに、ものすごく悪い人だと思っていたら、お互いの誤解があっただけで、それほど話にならない人じゃなかったりするかもしれないもの(でもやっぱ甘そうだなこれは)

とりあえず、私はなにせ直接、会ったことがないのだから、あれこれ「推理」がはずれていることだってあるのだ。訴訟になるにしても、どっちみちせめて一度会ってみたい気もしなくもない。でも、やっぱ、甘いんだろうなあ。ダメなんだろうな。

しかし、きっと警察の人も調べてくれて、たぶん思い込みか何かはあったにせよ、それはそれでたぶんもちろんきっと悪気はないのだろうし、人間を信じるってのはとっても難しいことだなあ。

もしかして、今まで健全なちゃんとした人間関係を維持できているというのは、日頃、それだけで、ちゃんと有り難いことなのかもしれないなあ。

ホント、小説講座の先生たちもみんないい人で、とても親切で、生徒さんたちもいい人ばっかりで。もめ事もなく、何のイヤな事もなく、明るく楽しい平和な小説講座を十年もやってきて。それがもう、私にはすごくあたりまえすぎて、日頃は気がつかんかったけど。

病気して初めて、日頃の健康の有り難さがわかるっていうか。

うーん、やっぱり何かと人生勉強にはなるわね。

04/04/2008

今度は、ウサギからの内容証明

4月3日(金)

悪いオオカミに狙われた可愛いウサギさん(言うまでもなくそれは私)
「オオカミさん、狙っているかもしれないけど、ホントは今、ライオンさんも一緒にいるのですよ」

……な〜んて、思ってくれるといいんだけどな。ふう。甘いか、それは。

今日は、郵便局。なんだかんだで、内容証明を出すのもこれで二回目。前回は、家の近くの郵便局だったので、内容証明を送るのも慣れてなく、窓口の人に教えてもらいつつ、やっとこさ作ったのだが、今度は二度目だから手慣れたもの。例の人に教えていただいたものを参考に、ワープロでせっせと制作。内容的には、柔和な反論のみ。なかなか上品なものである。さて、問題は、この上品さが相手にわかるかどうか。3部にちゃんと夫婦二人の割り印を押して、しっかり封筒も用意して、電車にお出かけ。

裁判所の前の交差点で、専攻科の生徒さんにばったり会う。うちの小説講座の美人軍団の中でも、最もピカイチと評判の美女である。そう言えば、彼女は、法律事務所にお勤めなのであった。こんなところでばったり会うなんて偶然である。ドラマならありがちな光景だけどね。そういや、なんか最近まるでドラマみたいな展開が続くと思ったが、やっぱ、どこかで誰かに演出されとるみたいだな。

「今から内容証明をここの郵便局から送るんだよん」
と言うと、美しい笑顔で、がんばってくださいね、と励まされる。

裁判所の中の郵便局は、7人ほどの列ができている。先日、弁護士事務所に行った日にも下見をした時には誰もいなくて空いていたのだが、4時過ぎには、けっこう込むらしい。
「お待ちの人の中で、内容証明以外の普通郵便の方はいますか? 普通郵便は、こちらで先に扱いますよ」
と言われたのだが、誰も動かない。全員、内容証明なのである(私もだ)。局員も、おそろしいスピード慣れた手つきで、バンバンとスタンプを押して行く。ここじゃ内容証明があたりまえ。普通郵便の方がめずらしい。住宅街の郵便局とは、まったく雰囲気が違うところなのであった。

例の人は、父に「民事でモメている相手に、まず刑事をしかけるのは弁護士のよくやる手」というようなことを言っていたみたいだが(父からの伝聞なので、よくわからないけど)、先方から来た内容証明は、そういう内容。「とりあえずなにか刑事で」ってのが、もしそれが合法的であるにしても、私自身には、そんなもの良識ある行動とは思えないがなあ。連発は、さすがにいかんと思うけどな。これって、業界的には、あたりまえなんすか。

そりゃ、どんな人にだって弁護士も必要なのだから、味方をするなとは言わないけどねえ。ま、たぶん弁護士も色々である。誇りを持って仕事をしてる人から、金儲けにしか興味がない人まで。

そう言えば、たった今、思い出したことが。
これまでの人生、ずっと法律なんかに縁がないと思っていたのだが(実際、ほとんど縁がなかったが)、若い頃、数年間つきあっていた恋人(注:むろん夫ではない)が、たしか1年間ほど法律事務所に勤めていたことがあったのだった。ところが、それは彼自身にとっては、相当にイヤな仕事らしく、ただ「早く辞めたい」と言ってた記憶しかなかったので、それはすっかり忘れていた。今、思い出した。

あんまり詳しい話を聞いたことがないのだが、たしか法学部の先輩か何かに紹介されたバイトなので、どんなに嫌でも最低1年間くらいは勤めないと義理が立たないとかで、何とかイヤイヤ続けていたのだが、指折り数えて、結局、11ヶ月くらいで辞めていたはずだ。ちなみにバイトとは言え、夜学生だから毎日の勤務。

何がそんなにイヤなのかと聞いたら、彼いわく、そこの仕事は「強きをたすけ、弱気をくじく」「悪をたすけ、善をくじく」みたいな仕事だったそうだ。あんまり内容を詳しく言いたがらないから、よく知らんけど。よほどイヤな先生だったのだろう、しょっちゅう「本当に早く辞めたい。イヤな仕事だ」と言っていた。とてもやりがいが持てる仕事じゃないらしく、勤務中もよくサボっていた。

私は、当時、梅田の某演芸場(今のじゃなくて、20年前の話だぞ)の出札係をしていたのだが、よくサボってのぞきに来たことがあって(裁判所あたりからだと徒歩10分)、たまたま休憩時間だと、仕事中にお茶を飲んだりしたこともあったのだが、その時も通帳の束を持っていた。なぜかしょっちゅう「あちこちの銀行に行かされて、いろんな名義の通帳から、お金の出し入ればかりをさせられる」のだそうで、その時も確かにいろんな名義の通帳の束とハンコを持っていた。なんか、かなりあやしい人物のようで、「あの先生は、どうせ金とゴルフにしか興味がない」とも言っていた。

たしかその時に、弁護士としての仕事は、先生がやらず、実際には他の事務の人がほとんどのことしているという話を聞いたのだった。「ふーん、なるほど弁護士の仕事って、どうしても先生じゃないとダメなものの他は、けっこう事務の人がやってたりするもんなんだなあ」ってのは、そういや、その時に知ったのである。たった今思い出したが。そうか、それで私につい「ホンマにこりゃ弁護士か」と思うような思考ができたのだな。法律知識ってのは、弁護士でなくても持ってるヤツはいるから、一般の善良な市民を脅しで悪用して使うだけなら、誰でもできると。

ま、実際、刑事告訴されるって場合、結果にはどっちでもたいして関係ないような気もするけどな。

最初に知った弁護士が、たまたまあまり感心しないタイプ、ってのは、ちょっと不幸かもねえ。なんつーか、日頃、ホント滅多に病気もしないのに、たまたま盲腸になって、手術したら失敗された……みたいな。だって、世の中、いい先生もいっぱいいるだろうから。

ところで、心配されたのか、某ミステリ作家からも、メールをいただく。なんならいい弁護士を紹介しましょうとの有り難いメールである。なんだかんだで、あちこち心配かけとるなあ。皆様、ありがとう。色んなお知恵を借りつつ、ちゃんとがんばっておりますよ。

今のところ「勝つ必要」はなく、とりあえず「負けなきゃいい」という立場のようだし(まだ、いいかげん、自分の立場がわかってない)、万一負けたとしてもせいぜい30センチ、なにせ家を新築したばかりで子供の教育費もかかるんで(長男も、高校受験。けっこう切実)、できるだけギリギリまで弁護士さんを依頼する予定はないのだが、ま、この先、何があるかわからんのも確かだから、そういう必要がないといいなあ、と祈ってもいる。

とりあえず向こうはアウェイで、こっちはホーム。今回は、自分の庭とご近所にも、証拠はたんまりあるので、すでに一応、あらゆる準備も万端だが、できるだけ避けられるものなら避けたい。

相手だって、もしわざわざどこかの弁護士さんを雇って、こんなことをやっているとすれば、どういう形にしても、ソンすると思うのだがなあ。紛争は、やはり平和解決すべきである。そもそもうちの父なんか、偽の測量図なんかを持って来て、何度もダマそうとするから「それは納得できん」と言っているだけであって、正しい測量をちゃんと認めて、「分筆をお願いします」っていうのなら断わるつもりなんか全然なかったみたいなのに、どうしてそういうことするかなあ。ま、もしもそういう人物だとすると、また偽の証拠とか考えてきそうな気もするけど。

人をダマそうってのは、やっぱ、よくないよなあ。やっぱ、人間、ずるいことを考えちゃダメだと思うのだ。ちゃんとまっとうに生きよう。親切、思いやり。ちゃんと愛と良識と徳のある生活。ホント、人間、それが基本だぞ。

04/03/2008

妻の愛情たっぷり手作り上申書とありふれた冤罪

4月2日(水)

今日も、小説講座の仕事で追いまくられつつ、例の刑事告訴であれこれ奔走。

高校教師の夫と3人の子供たち、清く貧しく美しく、平穏に暮らす平凡な主婦(言うまでもなくそれは私)が、ある日、突然、巻き込まれた……夫がありえない事件で刑事告訴された今回。

8年前に隣の家の娘さんが自殺して、そのまま空き家になっていた家がうさんくさい業者の手にわたり、境界線でモメたあげく、いきなり35年前の古いブロック塀、たったブロック22個を撤去した容疑でパトカーを呼びつけられて、刑事告訴!

ほんとに危ないんだぞう。むろん鉄筋もないし、なにせ問題の隣の家はすでに更地。よほど安い解体屋を雇ったらしく、土砂までさらえてるんだってば。誰が見ても、ホントに倒れかけてたから、なんなら、うちのご近所全員、証言できますぜ。

ところが、さらにまた運の悪いことに、この事件を担当をした刑事は、どうやら若い刑事で、業者にすっかり丸め込まれている様子、あるいは手抜き(?)。あとから私が泣いて「ちゃんと調べて」と警察に言っても、「奥さん、状況はわかりますが、やったことは事実でしょう」みたいなことを言う始末。

だから、違うのっ。警察が民法なんか知らないことは仕方ないらしいけど、あまりにも捜査がずさんなの! たぶん、この人、先入観ありすぎ、である。だから、あきらかな捜査ミスがあるから困ってるの!(だから、私にとっては不利になっているんだが)
他の警察の人々は、どうも親切みたいだから、たぶんハズレにあたったみたいである。

どうもこの人、自分の成績が欲しいのか、どうせ不起訴だろうとか、あまりにもバカバカしい事件だから、さっさと片付けたかったのか、そこんとこはどうかよくわかんないけど、
「境界線上のブロックなんだから、普通は共有だろうし、勝手にやったんだったら、よくわかんないけどたぶん有罪だろうな。にしても、どうせ不起訴になるのだろうし、ま、それなりに捜査をしておけばいいだろう」
とでも思ったに違いない。

そうでなきゃ、被疑者の妻が警察に行って、
「お願いですから、話を聞いてください。もっとちゃんと調べてください」
という泣きながら言っているにも関わらず、
「もう捜査は終わったから送検します。あなたから話を聞く必要もありません。何かあれば上申書でも書けば」
などと言えるはずもない。それって、やっぱ、問題あるんじゃないのかなあ。だって、話くらい聞いてもいいんじゃないの。

この人は、おそらく悪気はなく、たぶん「被害者」の立場に立ってあげて、彼は彼なりの正義感に燃えている人なんでしょうな。

「たしかに、見た目はあんな連中だが、今回はきっとそんなに悪いことはしてないだろう。奥さんは見かけだけで怖がっているが、それは偏見だな。多少うさんくさいかもしれないが、もっとひどい不動産屋もいっぱいいる。今回は、彼らは彼らなりに誠意をもって仕事をしているのだ」
……なんて思っているのだろう。たぶん。あの態度はそうとしか考えられない。

でも、それは甘いっ。甘すぎるぞっ。それでも刑事か。

私が、見るからに胡散臭い、とか、ただファッションが「ミナミの帝王」だから、怖がっているとすれば、それは大間違いだ。私は、一番怖いのは、彼らがペラペラと嘘をつくタイプだからだ。

実際のところ、彼らはそんなに怒鳴ったりしない(たまにそれもやってるけど)、どっちかというと、社長の方なんか、一見、ホストみたいな若い男で、口だけはものすごくうまいタイプである。こういうヤツの方がずっと悪質なんだぞ。だから、怖いのだ。ほら、だから刑事まで、だましてるじゃん。

この若い刑事が、この先入観のために、どんなに甘い捜査をしているのか、というと、まず、夫や父にあとで聞くと、どう考えても調書をとるのに、あきらかな誘導をしている。

決定的なのは、現場の大工にしか調書をとっておらず、工事の受注業者である建築業者の担当者に連絡もしてない。これは、あきらかに手抜きである。どう見ても、捜査ミスだ。だいたい、この大工さんは、ただの下請け業者で、工事を受注しているのは、我が家を建てた建築業者なのである。どうせ同じことを言うだろうから要らないと思ったのかもしれないが、これは、大きなミスだ。いや、警察にまで呼ばなくてもいいかもしれないけど、一度くらい電話で確認くらいしろよ。うかつすぎるぞ。

ちなみに、今回のブロック塀は、
まず、この建築業者の営業担当(ちなみに、これは地元の小さな建築業者なので、社長さん自身)であるMさんが
「そろそろ正月前だし、門柱と柵の工事をしましょう。ついでにあのブロック塀も取りましょう。あれは危ないですよ」
と言い出し、うちの夫は、「そうかなあ、そういや、妻も危ないって言ったよなあ。でも、あれは義父のだし」と思って、念のため、所有者である父に聞くと、
「ああ、それなら、ついでにそうしてもらえるかな。で、念のため、下3段だけ残しておいてくれ。何を言われるかわからんからな」
と言われたという順番である。

つまり、今回の事件、夫は、そもそも門柱の工事をやっていたので、ブロック塀なんか発注した意識はない。だから、「もしあれが有罪だとしても、なんで俺が関係あるの?」と思っているのだが、まあ、見ればみるほど、その通りである。

さらに一番の問題点。

それは、うちの父が提出したはずの図面。実は、これは、詐欺行為の証拠になるようなものなのだが、どうもこれもちゃんと調べてない。おそらく警察の例の担当者は、これをすっかり見逃している。気づいてくれてればいいが、無理だろうなあ。

なぜなら、これは業者が「測量士がつくった」と言って持ってきた図面である。父には、彼らはこれを測量図だと言ったのである。これは、詐欺である。だって、あきらかに測量図じゃないもん。そもそも、この業者は、うちの父が発注して作ってもらった測量図を「おまえらが発注して作った測量図なんか、信用できる訳がない」
などと言い、父が
「それなら、君の会社で、ちゃんと測量した図を持ってこい。測量士を連れてこい」
と言ったら、それもホントに阪本というヤツを連れてきたのだ。しっかり父の家まで。しかも、しっかり測るフリまでして。

しかし、父は、名刺もくれないし、どうもこの人もうさんくさいと思ったらしい。あとで聞いたら、なぜかトータルステーションとかじゃなくて、なんだかメジャーと平行儀だけで測ってたらしい。アホか。それでも素人だとだまされるところだが、じいちゃんエライ。それはその通りだよ。ちゃんとした測量士が絶対そんなことしないよ。ほんの数十センチでモメてるのに。しかし、ここまでやったら、ほぼ詐欺的行為。悪質である。たぶん、彼らは平気なのだ、こういうことは。まともな連中じゃない。

父は、すでにちゃんとした測量業者に頼んでいて、ちゃんとした測量図面を見ていた。業者の図面を見ても父にはわからなかったが「なんか変だな」とは思った。ちなみに、あいにくだが、たまたま私は広告屋をしていたとき、測量機器の会社(今は倒産したがジェックという会社)の情報誌をやっていた関係で、測量図面は何度か見たことがあるのだ(ちなみに、大学で「地図学」も取得済で、測量実習もやったことあるよん)

連中が持ってきたのは、あきらかに建築用のCADで作った図を測量図に見せかけたもので、こんなものは、まったくのシロウトならだまされただろうが、専門家だったら、一発でおかしいとわかるのだ。こんなものをもし持ってきた測量士がいたら、それこそ大問題である。

しかし、これは、いくら素人でもちゃんと調べればわかるはずなのだ。なぜなら、登記の分筆図があり、この図と比較すれば、一見して誰でもおかしいと気づくべきである。分筆図とつじつまが合わないからだ。で、あきらかにおかしい測量図を測量図として持って来るのは、どう考えても詐欺行為である。いくら警察が「民法」なんか知ったことじゃないと思っていたとしても、いくらなんでもそこには気づくべきである。でも、たぶんあの若い刑事は気づいてない。ウカツすぎである。

あんたのせいで、また将来、この業者が詐欺を繰り返してもいいのか。法律関係者は、不正行為を見つけたらちゃんと調べる義務があるんじゃなかったのかな。そりゃ、うちは、実質被害は、まだ「刑事告訴されただけ」なのだが、これからこんな不動産詐欺が繰り返されれば、被害金額が大きいんだよ。しかも、こういうのは少数の業者が繰り返すのだ。彼らは若い。これで味をしめたら、これから多くの善良な市民がもっと泣く。それでもええんか。知らんぞ、私は。ちゃんと調べといた方がいいと思うがなあ。これは見逃しだよねえ。まあ、私は「世の中の秩序を守る立場」にないから別に仕方ないとは思うけど。

だから、私の話をほんの少しでいいから、ちゃんと聞いてくれとあれほど頼んだのに。

てか、こんな適当な捜査をやっていると、ホント、どうなんかなあ。今回は、どうせ不起訴みたいだけど、この先、将来、冤罪とか作っちゃうよね、きっと。ホント、警察って、大丈夫なんかなあ? 

それとも世間では、冤罪とかもありふれた話なのか?

世間一般に、こんな話がしょっちゅうあるものかどうか知らない。しかし、「こんなもの、よくある話」で、見逃されることもあるのだろう。けど、済ませてちゃいかんよね。とくに警察の人は。ま、もしかすると、麻痺しちゃうのかもしれないけどねえ。

そういうわけで、たまたま担当者がハズレだったせいで、こういう警察の捜査ミスもあれこれ指摘した手作りの「上申書」もせっせと作成中。法律は知らないけど、世間の常識は知っているつもりなので「良識」で戦うのだ。こんなこと書いて検察に送ると、もしかして例の若い刑事のキャリアにほんの少しでも傷がつきでもしないかと、心やさしい私なんかほんのちょっぴり余計な心配までしてあげているのだが、ま、どうせそういう人なら、これくらいいつもの捜査でやってそうだし、まあ、そのために検察の捜査があるわけらしいから、そんなことは余計な心配だろう。ま、さっさと送検しちゃったのは、本人なんだし、なにせ自分の夫を冤罪から守るためだから仕方ないの。

さて、例の父の友人は、どうやら弁護士経験はないようですが、ま、法律に詳しいことは確か。

いきなり「公証人」って言われても、実はどんな職業か知らなかったのだが、よく調べたらかなり珍しい職種であったのだ。しかし、「公証人」って言われても、シロウトにはわかりませんもんな。みんな、知ってた? こんなことも法律関係では常識?

結局、どうも例の事務所の一件もよくわからないが、どうやら、あれは弁護士を頼まなくても、弁護士事務所の事務員名義で内容証明を出しておき、それを検察に持って行くと、検事なら見ただけで、
「なんだ、肝心の所有権について、まだ弁護士同士で話し合ってる最中なのか。じゃ、どうせ民事を済ませてからだな。刑事は後回しにしとこ」
とかたぶん考えるから、よほど悪くても「起訴猶予」になっちゃうんだという意味のようだ。いや、一応、電話で説明してもらったのだが、私にはよくわからんのだ。ホント。でも、どうもそういう意図じゃないかなと思う。

ちなみに、うちの母には、ケーサツとケンサツの違いがまだ全くわかってない。(さらに、困ったことに、被疑者にされている夫もそれはよくわかってないらしい)

あとで、例の人からは、
「現役の検事にも連絡して聞いてみたんですが、たぶんそんなことで起訴はないだろうという話でしたよ。今まだ検察の担当者が決まってないだろうし、あとはその時ですかね。ま、もし検察から呼ばれることがあったら、そのときでも考えましょう。とりあえず弁護士はそれからでも遅くないと思いますよ」
というような内容の電話が、父にかかってきたらしい。

なんか、ほとんど大丈夫らしい。しかし、ホント、どういう世界なのか、さっぱり、ようわからん。

私自身は、あれから物証も確保したし、「妻の愛情たっぷり手作り上申書」(証拠付)の内容にもそれなりに自信があるので、もはやあんまり心配してない。警察の調書で何を書かれたかわからんのだが(うかつなことに夫なんか、あまりちゃんと覚えてないらしいのである。サインしたんでしょ、と言ったのだが、あまりにも警察を信用し過ぎである)、上申書を読みさえすれば、あれでカンタンに起訴できると思うような人はいない、と思う。いや、わからんけどたぶん。

とにかく検事なんか見たこともない人種なので、そういう人の考えることなんか全然わからんけど、今や有罪にするのはむちゃくちゃ難しいはずである。だいたい、そこまで無理して起訴するような事件でもないはずだし。

さて、そろそろ反撃もせんとなあ。ああ、ホント、困ったもんだなあ。

04/02/2008

ライティング講座は不開講、基礎レッスンコースは開講

4月1日(火)

「文章教室<ライティング講座>」「基礎レッスンコース」の生徒募集は、3月末が締切日。
今日くらい、ドバッと願書が届いているかと思ったが、残念ながら、一通もなし。今年は1〜2月の広告の反応が悪かったのと、また私の個人的な事件のせいで、締切前の情報誌の発送ができてないので仕方ない(封筒だけ準備しただけで、制作が間にあわなかったのだ)

2コース募集をしたせいで、生徒数も分散しちゃったよ。

ほんでもって、どっちも不開講ってのもマズいから、赤字が少ない「基礎レッスンコース」だけ開講することに。こんだけ少ない人数だから、完全に赤字。専攻科のない土曜日の夜なので、専攻科の何人かに特別入学してもらえないかなあ。それなら、まだ呼んだことがない豪華ゲストも数名来てもらえるし。

ほんでもって、悲しいお知らせ「不開講通知」を送付する。

某生徒さんからメールあり。またまた某小説コンテストで、最終まで残って落選。うーん。この人、これで2度目。しかし、この人は、実力があることは確かなのだから、いずれはどの形でもデビューできるんだろうけどなあ。それにしてもオシイよね。

帰宅後、子供たちに夕食を作って食べさせ、それから、8時に知り合いのデザイナー事務所に行って打合せ。11時からさらに実家に。12時に帰宅。忙しすぎるぞよ。

04/01/2008

まるで大病院と無医村の医者

3月31日(月)

午前中、父と一緒に、例の人からもらったファックスをもって、弁護士事務所へ行く。
私一人で行くつもりだったのだが、父はどうしてもついて行きたいと言う。

その事務所に誰がいるのかわからないのだが、父も、
「なんや、そこに知人がおるらしい」
と言われているだけらしい。それなら、ま、例の人とも共通の話題があるだろうから、もしかしたら父の方が話が通るかもしれないと思う。しかし、なにせ、
「行けばわかります。資料だけはちゃんと持って行ってください」
と言われているだけなので、正直、二人とも何をしに行くのか、ちょっとよくわからない。
「弁護士を紹介する」というわけではないらしいし。

しかし、行ってみると、超豪華な弁護士事務所。想像していたのとはだいぶ違う。受付の女性に通されて、見晴らしのいい部屋で待っていると、弁護士さんが入ってくる。ところが、ファックスを持って、「一体、どういうことですかな」と、けげんな顔である。
「あの、私たちにもわかりません。ここに来て、この人に会えばわかると言われまして。あの、おられますか?」
「確かに、彼はうちの事務員ですが、これは一体どういうことでしょうかね」

えっ、事務の人?

その瞬間、私には、例の人の意図がわかった。なるほど。なんつーことを考える人なんだろ。確かに、お金がかからない方法を考えてみましょう……って言ってたけど。しかし、何、それ。こんなのアリなんか。

しかし、せっかくだが、どうも話が通じてなかったようだ。たぶんその知人は、今日、何らかの形で休んでいるか、あるいは合意がとれなかったのだろう。しかし、せっかく来たわけだし、そのまま帰るのも変だし、1時間半ほど主な資料を見せて、あらましを説明する。話を説明していると、なんとなくこれは感触というか、ただの雰囲気なのだが、私には「この人は違うな」という気がする。なんだか微妙だが、私立の大病院の院長という感じである。どういう人か知らないが、なんとなく私とは違うような感じなのである。例の人とも、きっと治療方針がかなり違うんだろうな、という感じである。なんとなく、部下にものすごく優秀な人がいるのかもしれないな、という気もする。うーん。それが、例の人の知人なのかな。

結局、その知人には会わせてもらえなくて、仕方なく、一通り、説明をすると、「民事と刑事なので、最低これくらい、裁判や経費は別途必要」と言われ、とりあえず御礼を言って、「夫と相談してきますので」と失礼する。一緒にいた父は、まったくこの状況の意味がわかっていない。「最低五十か、百万くらいは覚悟せなあかんのやな」などと言っている。

いや、違う。

お父さん、絶対、それはそうじゃないって。だいいち頼むにしても私なら他の人にしたい。たぶん例の人とも、かなり方針が違うタイプの人だろう。弁護士などという人種に会うのは、ほとんど初めてだが、たぶん医者と同じように、仕事の方針だって色々あるに違いない。私は、法律のことなどわからないが、たとえば、それは医学のことがわからないのと同じなのだ。でも、「この先生の話ならわかる。よくわからないが、たぶん信頼できるだろう」というのは、たとえ医学なんかがわからなくたって、誰だってわかったりするものなのだ。この人なら安心できるという。信頼できるかどうか。なら、たんに専門家だというだけではなくて、それ以外の何かがあるはずなのだ。

しかし、まったく意味がわかってない父は、「せっかく紹介してもらったのに」などと言う。いや、そうは言わなかったんだってば。

夜、電話をする。
「本人には会わせてもらえませんでした」
と言うと、いつもの穏やかな声で、たいして驚いた様子もなく、
「ふーん、おかしいな。彼、いなかったのか。それなら明日までに別のを考えますよ。また明日電話します。それにしてもその金額はちょっと高いな。ふーん」
などと言って電話を切る。なるほど、そうじゃないかと思ったが、やっぱり高いのか。相場がわからんので、判断がつかなかったけど、そんな気はした。

それにしても、穏やかな話しぶりのわりには、けっこう無茶なことをポンと考えつく人である。それとも、これくらいのことは、こういう業界では日常茶飯事? 誰もが平気で思いつくのだろうか。しかし、とりあえずわかったことは、どうやら例の人は、ホントに私たちになるべくお金を使わせないつもりらしい。

なんとなく、田舎の穏やかな老医者、なんてのを想像する。

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