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02/15/2006

小説とは関係のない休日(自分なりの方法でいいのに)

2月13日(月)
小説講座の事務所は、日曜、月曜お休みです。

午後から専門学校の方へ、非常勤講師。本日の参考資料は、『ダイハード』。意外だったのは、3時限目のクラスでも、5時限目のクラスでもほとんど誰も見たことがなかったこと。けっこうテレビでよくやっているし、有名な作品なんで、けっこう見てる人が多いと思ったんだけどな。ま、確かに1988年の映画なので、専門学校生は生まれるか生まれないかの頃。古い映画なんだよね。

しかし、今回やっと気がついたのだが、ある部分の主人公の行動の理解が、どうも年代によって違うことに気がついた。生徒と話して、やっと気がついたのだけど、それがちょっとした発見だった。映画が始まって10分過ぎくらいの所にあるシーンなのだが、主人公(ジョン)が妻と少し口論になり、一人になった後、鏡に向かって「よし、言ってやったぞ」と自分に言うシーンである。若い人(とくに女性)は、これはちょっとヘンな行動に見えるのである。パッと見ると、この主人公は「単純でバカ」なのではないかと思うような行動なのである。

まあ、そう言われてみれば、私も当時は、そう解釈して見ていた気もする(なにせ二十年前のことなので忘れたが)、あらためて気がついたのだけど、よく見てみたら、このシーンでは、この主人公は、セリフとは反対に、妻に対して、つい余計な言ってしまったとかなり後悔しているのである。そう考えれば、なかなか微妙な表情で、うまいシーンなのだった。まあ、ここは役者の演技力なのか、ちょっとわかんないけど、今回、教材に使うので、あらためて何度も見てみたのだが、しみじみよくできたシナリオだなあ。

しかし、確かに、こういう微妙な表現は、若い女性にはちょっと理解しにくいかもなあ

ところで、毎回どんな作品をとりあげても、「こんなつまらない映画のどこがいいのかわからない」と怒る生徒が何人かいる。確かに誰でも好みというのがあるし、「お口に合わない」というのはあるが、まあ、教材として使っているわけで、そんなに怒られても困るんだけどなあ。それにいい作品だから見ているともとくに言ってないわけで、「既存の作品から、自分なりに構成表を作ってみよう」という課題の教材として、使っただけである。

まあ、この課題は、どのクラスでもやっているのだが、なかなかいい作品がない。人間関係があまりややこしかったり、ストーリーがはっきりしてないとうまくいかないので、まだいい教材が見つからない。シナリオがよくできていたりしても、ちょっと複雑だと、本筋がどこかわからないくらいなので、ムリである。アクションなら、敵味方がわかりやすいし、ストーリーの筋も一貫しているのでマシかと思ったんだけどな。ま、一滴の血でも画面に流れたらもうダメ、という人も中にはいたかもしれないので、そういう人には、ちょっと気の毒したと思ってますけどね。(ちなみに、ダイハードは、敵が何人死んでもあまり痛そうじゃないのに、みんな、足の傷のシーンが一番痛く感じるらしい。ちょっと面白いよね)

もっと短い単純な恋愛映画でもいいかもしれないが(恋愛モノは、もう一人の講師が扱っているので、ちょっと使えないのだが)、なかなかコレという作品がなくて、難しいもんである。

しかし、「私は、恋愛学園マンガしか書かないので、アクションは興味ありません」と最初から映像も見ない人がいたのはちょっと残念。ま、こういう生徒さんは、今まで十数本、何を見せてもすぐに寝ているんだけど(かなり許容幅が狭いようで、一体どんな映画なら好きなのかわからん。ま、2年生になると、そういう生徒さんは、そのうち授業にも来なくなるらしいので、ま、1年生だけらしいけど)。

本当に、かなり注意して、一応、ヒット作とか超有名作品しか、とり上げてないんだけどなあ。けど、思うんだが、もし本気でプロをめざすんなら、教養だと思って、もう少しくらいは幅広い作品を見た方がいい気はするんだけどね。

もちろん作品には好き嫌いはあるのはわかるが、なんだかもったいないなあ、と単純に思う。食べ物の好き嫌いと同じで、好き嫌いはやはりない方が、確かに食生活は豊かになる。まあ、一般ならいいが、コックになるつもりなら、あまりにひどい偏食は不利だと思う。ま、偏食も、治す気になればすぐに治るが、結局、コックになる気がないなら、偏食くらいあっても、別にかまわないわけで、要は、職業にしたいほど、その必要性とか関心があるかないかだけど。

しかし、それよりも面白かったのは、「構成表の作り方も教えてもらってないからわからない。穴あき問題にして欲しかった」という意見の人が一人いたこと(毎回、講義後に授業レポートを集めているのだが、そこにあった)。
さすがにこれは、ちょっと考えさせられてしまった。うーむ、穴あき問題かあ。

確かに、構成表は、いくつか例は示したのだが、「絶対にコレで作りなさい」というパターンは指示してない。まあ、なにせ教材が映画なので、構成表を実際に書いてみて、全体の関係などをちょっと考えてみるというのが目的である。そもそも15分でそんなものできるわけもないし、完璧に作ることを要求しているわけではない。(そんなことしても仕方ないしなあ)。

思うに、どうも高校生までの丸暗記教育がしみついているのかもしれない。何かというと「正解」を教えてもらいたがる人がいるのだ。もしかすると、真面目な生徒さんなのかもしれないけど。

しかし、なにせ科目名が、「アイデアテクニック」なのだが、自分の頭を使う習慣のない人に、アイデアテクニックを身につけさせるというのは、ちょっと難しいのだ。だいたい私はマンガ家ではないから、直接、マンガの構成表を手とり足とりで作らせるのはムリなのである。けど、思うのだが、プロの人でも、おそらくマンガのシナリオなどは、(まあ、原作者は別だろうけど)マンガ家って、自分のやり方で、それぞれプロットとか作ってるような気がするんですが、どうでしょう。こうすれば確実、って方法があるんでしょうか。高校の勉強みたいに。

けど、そんなもの、自分のやりやすいように書けばいいじゃないのかなあ。毎回、それなりに課題を考えて、できるだけ楽しい授業にしようとしているのだが、どうも「正解」とか、公式のような「安易な解法」を期待されている人がたまにいて、ちょっと面くらう。一応、これまでに百人以上のシナリオライターさんや作家さんから聞いた話の中から、なるべくヒントになりそうな話は紹介したりするのだが、私自身が教えられることと言えば、「こうすれば確実という正解はないが、方法はけっこう色々とあるのだ。みんなそれぞれ工夫しているのだ。だから、やりようも色々あるのだ」ということくらいである。だからこそ、人と違う見方や自分なりの方法を試したりするのが面白いわけで、そのために悩んだり考えたりするのが勉強なんだと思うんで、何か「解答」を暗記したり、安易な解決法を覚えたりするのが勉強ではないとは思うんだけどな。確かに、そんなものがあって、それさえあれば、面白いマンガが作れたり、小説がいくつも書けるんなら、すごくラクなんだろうがなあ。

どうも「自分の頭で考えてみる」という習慣がない人がいるような気がする。気のせいか?

まあ、このクラスも、あと2回しか講義がないんだけどね。けど、レクチャーだけの講義の方がラクなんだけど、こうして「実習」とかすると、こんな反応があるのが面白い。

いろんな意味で、私には「勉強」にはなってるな。


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